SouthernX-1 (サザンクロス)
EPPファンフライ
 
   
一世を風靡したセミ少年Manuel君
彼のホームページにある驚くべきムービーを見て、
「自分もこんな風に飛ばしてみたい!」と思った人も多いと思います。

もちろん私もその一人でした。
彼が飛ばしているアルチメイトをインターネットで調べていくうちに、
どうやらこの機体はインドア・ファンフライまたは、インドア・アエロバテックスと言われる
種類の機体であることが分かりました。

そのまま作ることも考えたのですが、
小さいファンフライは操縦が大変難しくなるので、
かなり大きめのオリジナルデザインの機体にしました。
胴体と主翼はEPP、尾翼とエルロンはスチレンペーパーです。

お手本にしたのは、ポテンスキーのイーグルです。
(イーグルは、安価なスピード300モーターで、
垂直ホバリングやスローアクロができる素晴らしい機体です。)
更に新型Trick 800 Lite 3Dも出ましたね。 



図面

翼型

スペック
全長 
全幅 
全備重量
主翼面積
翼面荷重
翼型
機体構造
パワーユニット
コントローラー 
バッテリー
材料費
800mm
840mm
346g
15dm2
23g/dm2
ファンフライ用オリジナル
EPP+オラライト仕上げ
PJS 300 SF 3D + ペラAPC9x4.5
Phoenix-10
1200mAhリチウムポリマー3セル
約3500円?(モーターなどメカ含まず)
  
FMS用の機体はこちら>>>SouthernX.zip 99kb



翼のカット

 
翼のカットはいつもと同じです。
今回はステンレス線ではなく、ちゃんと0.32mmニクロム線を使いました。
購入したのは秋葉原の坂口電熱と言うところです。
電源は7セルのバッテリー。

最近はテンプレートをスプレーのり77で貼り付けてます。
結局これが一番いいような気がします。



胴体の製作


図面を原寸に拡大コピーした物を目安に、カッターナイフでEPPを切り出します。


尾翼を差し込む溝を、バンドソー(糸ノコみたいなもの)で切りました


テール部分を薄くするため、ヒノキ棒をガイドにして熱線でカットしました。


ベルトサンダーなどを使って丸みを付けます。
お風呂マットのような素材なので、手で削るのは不可能に近いです。 (^_^;)


スチレンペーパーで垂直尾翼を作り、差し込みました。
接着剤は木工用ホワイトボンドを使いましたが、これは間違いです。
詳しくはEPPのページで・・・>>>


スチレンペーパーで尾翼とエルロンを切り出し、あっという間に生地完成。


薄くなった胴体後部がグニャグニャするので、
側面にカッターで切れ目を入れて、0.8mmカーボンロッドを埋め込みました。
接着剤はスーパーX。



エレベーターとラダーサーボを尾翼直前に付けるためコードを延長しました。
コードはパソコン用のIDEケーブル(ジャンクで100円)を3本ずつ裂いてハンダ付け。

   
穴を開けてサーボを付けたあと、反対側の胴体側面にカッターで切り込みを入れ、コードを埋め込みます。


受信機用の穴の部分まで持ってきます。



  

モーターの取り付けのため機首をカットし、内側をくり抜きます。   

  
ベニヤをスーパーXで接着し、モーターを取り付けます。



水平尾翼強化のため、カーボンキュアシートをスーパーXで上下に貼り付けました。


エレベーターの連結はヒノキ棒。



胴体にオラライトを貼ったところ。


水平尾翼をスーパーXで接着しました。



主翼を接着するためにフイルムを剥がします。


左右連結のため、胴体にカーボンロッドを突き刺しています。


スプレーのりで接着しました。
カーボンロッドは翼にカッターで切り込みを入れ、スーパーXで接着。



 
ホーンも折れない材料で作りたかったので、ビデオケースを切って自作しました。



 

サーボ固定のためスーパーXを付けた爪楊枝を刺しています。
リンケージは0.8mmピアノ線。
ピアノ線は墜落時の衝撃を吸収するため山型に曲げています。



エルロンサーボのコードを埋め込むために、
カッターで切れ目を入れています。

  
型紙を作って、カッターとリューターで彫り込みサーボを埋めます。
固定は透明梱包用テープ


各動翼はヒンジテープで留めました。
この写真は最大舵角時。


プロペラはAPC 8X3.8〜9X3.8
モーターマウントのベニヤの剥がれ防止のため、グラステープ(田宮)を貼っています。
脚の取り付けもグラステープで留めただけ。



完成!


飛行テスト

こんな凄い舵角の機体を飛ばすのは初めてです。
ほんとに操縦出来るのでしょうか?
でもいつもと違い、尾翼が付いているから問題なく飛ぶっしょ! (笑)

手投げであっさり飛びました! o(^-^)o
ねらい通り、ポテンスキーのイーグルに似たような特性で、
とてもゆっくりクルクル飛びます。
悩んだのが重心位置です。 前でも後ろでも関係なく飛んでしまいます。
こういう機体はどこに合わせればいいんでしょうね。

この手の機体をまったく飛ばしたことがない私には、
この機体の性能がいいのか悪いのかさっぱり分かりません。(^_^;)

機種を上に向けると簡単に垂直ホバリングに入ります。
まったく初心者の私がすぐに竿立ちに出来るのですから、
ホバリングはとてもやりやすい機体のようです。
でも、生まれて初めての体験なんで、2〜3秒ほどしか続きません。
ひたすら練習あるのみですね。

もちろんコブラも出来ます。
尾翼を擦りそうな高度で自分の周りをコブラで飛ばすのは、
初めてのことで、とても楽しい体験でした。

しかし、機体の完成度はまだまだイーグルにはかなわないようですね。
コブラでは、どうしてもフラフラと左右に振れてしまいます。
主翼にテーパーを付けすぎたのかもしれませんし、
前縁の丸みが足りないのかもしれません。

私の翼は30mmほどの厚みがありますが、
コブラで振られますので40mm位あった方が良いかもしれません。
この手の機体は極端な厚翼なので翼の抵抗が非常に大きく、
フルスロットルでもあまりスピードが出ません。
飛ばすためのパワーは、かなり必要です。

機体総重量は現在346g位ですから、少し重いかもしれません。
これから色々テストして、セッティングを煮詰めていこうと思います。

  

今日も朝早く飛ばしてきました。
やはり翼の失速が早すぎるようです。
コブラ状態の時に左右にコロコロします。
これは背面でも変わりませんでした。
翼が薄すぎるのと、カッコ付けてテーパー翼にしたのが失敗だったようですね。
翼をFun400風に作り直すかもしれません。

でも、やっぱりEPP製の軽量ファンフライはとっても面白いです。
落ちても落ちても壊れる気配は全くありません。
初心者の私でも腰の高さ位で安心してグリグリ出来ますし、
背面コブラで垂直尾翼をガリガリやっても大丈夫! (笑)

この機体を飛ばすと、超低空で無茶するので1分に1回は墜落してます。
でも全く壊れる気配がありません。 o(^-^)o
ひょいっと持ち上げて、何事もなかったように飛行可能です。

EPPファンフライは練習に最適ですね!



バージョン1.5へ

翼を矩形翼にするため、前縁に画用紙で延長部分を付けて実験してみました。
この効果は絶大で、今まで悩まされていたコブラ状態での
左右のコロコロ失速はかなり改善され、非常に安定して飛行するようになりました。

そこで、翼を矩形翼に作り替えることにしました。
あと、今の機体重量ではフルスロットルでやっと垂直ホバリング出来る位なので、
かなりモーターやバッテリーに無理がかかっています。
今度は出来るだけ軽量化し、できれば300g以下にしたいと思います。



新翼型

パワーロスを減らすため、少し抵抗が少ない翼型をデザインしてみました。

翼の内部に空洞を付けるため、テンプレートに穴が空いています。




上面のカット中。


肉抜き部分のカット中。
「大変かな?」と思っていましたが、実際やってみると
とっても簡単! o(^-^)o あっという間に肉抜きが出来ます。



カット完了!


ベリベリっと剥がして、不要部分を抜き取ります。


上下をスプレーのりで接着しました。
この作業で片翼8.5gの軽量化が出来ました。


 
翼端ブロックも軽量化のため、カッターナイフで彫り込んでみました。



左右の翼をスプレーのりで接着しました。
そのあと、1mmカーボンロッドを埋め込んでスパーの上下を補強し、
その上からグラステープで抑えます。

でも、どうも肉抜きしすぎたみたいで、スパー部分以外が凹んできますね。(^_^;)
もう少し皮を残すべきでした。



軽量化のため胴体も穴だらけにしました。
今回の主翼取り付け方法は、
左右一体化した翼を胴体の穴に差し込む方法です。

   
延長コードの重量も考えて、PEラインによるワイヤーリンケージに変更しました。
胴体側面には、補強のため1mmカーボンロッドを付けています。


  
ラダーとエレベータも軽量化。



SouthernXバージョン1.5 完成

重量は346g295gへと軽量に、
翼面積は15dm217dm2へ拡大、
翼面荷重は23g/dm217.4g/dm2
大幅に軽くなりました。

でもEPP胴体に穴を開けたので、フイルムがシワシワになり、
アップに耐えませんねぇー・・・。 (^_^;)
やっぱり内部をくり抜くべきでした。


バージョン1.5のフライト

やはり、大幅な軽量化の威力は絶大です。
スロットルスティック60〜70%位で垂直ホバリングが可能になりました。
以前のようにバッテリーやモーターが熱くなることもなく、
安心して飛行出来ます。 o(^-^)o

しかし、今回の翼は薄すぎたようです。
機体全体のマイルドさが失われてしまい、扱いにくくなってしまいました。

また、あまりにも翼面荷重を減らしすぎたのか、コブラがやりにくくなってしまいました。
上を向けるとそのまま上がっていってしまいます。


翼面積を減らすため翼を50mm切り取ってみました。


これはバージョン1.6か?

バージョン1.6飛ばしました。
思った通り、コブラはとてもやりやすくなりました。
しかし、スパンが短くなってロールレートは恐ろしく早くなってしまったため、
エルロンの舵角を75%に、エクスポを50%入れました。



バッテリーとペラなど

新しく購入したKOKAM1500mAh3セルを使ってみました。
たしかに放電量の余裕が増えるためパワーは出ますが、
機体が重くなってしまい、扱いにくくなってしまいました。
どうやらこの機体には、1200mAh3セルが一番マッチしているようです。

また、ブラシレスはパワーは素晴らしいですが、どうもレスポンスに問題があるように思えます。
フルスロットルにしてもすぐに回転は上がらず、1秒ほど遅れてついてきます。
コントローラーのせいかな?と思ったのですが、
Phoenix-10からJeti 18-3Pに交換しても改善されませんでした。
すぐに回転が上がってくれないと、とっさの時に上空に逃げられません。
EPS-350Cを使うことも考えています。

私の機体の場合、プロペラはAPC SLOWFLY 9x4.5が一番良いようです。
しかし、機首から墜落すると当然折れるため、現在Graupner CAM Folding Prop 9X5 を使っています。
これならどんなに墜落しても大丈夫!!


ファンフライを飛ばしてわかったこと
(私は全くの素人なので、間違っている所もあるかもしれません。)

ファンフライの設計ですが、プロペラ軸>主翼>水平尾翼は一直線、
機体の側面積は翼に対して上下とも同じ面積が望ましいようです。

重心位置は、かなり後ろの方がホバリングしやすいです。
同様にコブラもやりやすくなります。
現在私の機体は、ほとんど揚力尾翼機の重心位置です。

重心の調整は機体の前後だけではなく、
上下方向にもニュートラルでなければならないみたいです。
私の機体は下にバッテリーを入れているので変な癖が出ます。
今度、作り直す場合に翼の中に入れる工夫をしたいと思います。

このサイズの小型ファンフライでは重量300g以下が望ましいようです。
また、機体を小さくすれば重量300gを切ることは可能でしょうが、ここで大きな問題があります。
きちんと制御されたホバリングやトルクロールを行うためには、
最低限、この機体以上のテールの長さが必要です。
出来れば全長1000mm以上の機体が望ましいですが、
重量が増えるため現在の機材では難しいかもしれません。

私はこの機体を飛ばしていて、
「これ以上小さい機体で自在にトルクロールするのは不可能」と感じました。
私の機体は素人でもトルクロール出来る限界ギリギリの大きさだと思います。
もちろん、セミ少年のように天才的技術を持った人なら可能です! (笑)

ラダーとエレベーターの動作量は45度以上必要。
エクスポは50%程度必要。



衝撃吸収スピンナー

機首から墜落した時にも壊れないように、スピンナーもEPPで作ってみました。


サークルカッターでベニヤを丸く切り出します。

  
スプレーのりをたっぷり吹きつけて、EPPの端切れを接着。
カッターで大まかに形を整えた後、モーターに取り付け
回転させながらペーパーで仕上げました。


これで、機首から激突しても大丈夫!


ムービー

http://www.youtube.com/watch?v=zonooTRcjJg

初心者なので下手なのは許してくださいね・・・(^_^;)



ナイフエッジ時の特性

私の機体はナイフエッジでエレベーター方向に逃げる癖がありました。
そこで、胴体にスチレンペーパーを貼り付け、側面積を色々変えることで、
ミキシング無しでナイフエッジが出来ないか実験してみました。

その結果、ナイフエッジと胴体上下の側面積には法則があることが判りました。
機体上面をこちらに向けてナイフエッジで飛行している時、
下の側面積が広いと向こうに逃げていき、上が広いとこちらに向かって曲がってきます。
数ミリ切り取るだけで、かなりはっきり挙動が変わります。
でも、どうしてこうなるのか説明できませんが・・・。 (^_^;)

この調整により、ミキシング無しで真っ直ぐナイフエッジが出来るようになりました。
ロールも機体を串に刺して回したようにクルクル回り、高度もあまり落ちなくなりました。



 
エルロン、ラダーの形状と面積の実験

  

エルロン形状とラダー面積を最適化するための実験も行いました。
私の機体の場合、エルロンの幅は50〜60mm程度が良いようです。
エルロン部分にテーパーを付けてみましたが、
コブラ状態の時に非常に不安定になるため、エルロンも矩形が良いことが判りました。
また、ラダーはかなり大きめの方が、ホバリング時に姿勢が崩れた場合に立て直しやすくなります。

水平尾翼にカウンター部分を付けると、
草を引っかけてしまうため良くないことも判りました。


さらなる推力アップ

PJS 300 SFモーターに3セルを繋いで、ホバリングを続けると
無理をしているせいで、どうしてもモーターがオーバーヒート気味になってしまい、
「ガガガァー」と音を出して止まってしまいます。
そこで、推力アップとオーバーヒート対策のため、PJS 550Eを購入することにしました。
これは、リポ3セルでファンフライを飛ばすために最適化されたモーターです。


300 SFと比べてみると、直径は同じですが全長が少し長くなっています。

早速付けて回してみましたが、さすがに550gの推力は素晴らしいです!
プロペラはAPC SLOWFLY 10x4.7ですが、
スロットルをほんの少し上げるだけで、すでに自重と釣り合います。

フルスロットルだと、しっかり押さえていないと天井に激突しそうな勢いです。
こんなに凄い推力なのにフルスロットル時の電流は、わずか8Aほどでした。
10x4.7以下のプロペラの場合は、フェニックス10でも使えそうです。

11x4.7の場合はさらに推力が上がりますが、
機体のバランスから言って11x4.7はプロペラが大きすぎるので、10x4.7にすることにしました。
(11x4.7の場合は10A流れます。)

早速飛ばしてみました。
プロペラが回った瞬間、凄い勢いで飛び出し少し焦ります。(^_^;)
垂直ホバリングはスロットル半分で余裕です。
それでも気を付けていないと、どんどん高度が上がって行ってしまいます。

ちなみに自重と釣り合っている時の電流は、なんとたったの4A!
これには驚きました!w(@。@;)w  素晴らしい効率ですね。
モーターの加熱も無く、延々ホバリングを続けることが出来ます。

また、ほとんどフルスロットルにしない(出来ない?)ので、
呆れるほど長く飛ぶようになりました。

1200mAの3セルを使い、主に垂直ホバリングの練習をして20分飛ぶことを確認しました。
やっぱりPJS550Eの効率は非常にいいですね。
水平飛行なら30分はたやすいかもしれません。

推力が非常に大きいので、スロットルワークが難しくなりました。
スロットルを数ミリ上げるだけでグワッと上昇するので、現在一回り小さいプロペラ9x4.5を付けています。
スロットル操作に対して挙動がマイルドになるので、初心者にはこの位の推力がちょうど良いかもしれません。

PJS 550Eは素晴らしいモーターですね。
飛ばしている間じゅう、顔がニヤケていたのは言うまでもありません。 σ(@^‐^@ )

一般にPJSのようなアウトランナーモーターは、効率が悪いと言われていますが、
どうも誤解されているように思えます。
投入された電力に対してモーターの回転数が低いせいで、「効率が悪い」と言われているのではないでしょうか。
アウトランナーの場合は発生するトルクを計算に入れるべきだと思います。

特に、PJSは小さなプロペラでも、巨大なプロペラでもあまり回転数は変わりません。
モーターの発熱量が変わるだけ? (笑)



コントローラーの相性
 

PJSのアウトランナーモーターを使う場合、Jeti GOLD II JES-18-3PBECは相性が良くありませんでした。
スティックに対してモーターが段階的に反応したり、時々ガァーっとなってうまく起動しなくなることもあります。


Castle Creation社のPhoenix(フェニックス)10は、
非常にスムーズにPJSのアウトランナーを回転させます。
カット電圧や進角など各種設定も出来、リポでも安心して使えます。
PJSのアウトランナーを使う場合はこちらをお勧めします。


2003/9/17
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