サーマルと遊ぼう!
   

ここでは目に見えないサーマルをどうやって見つけるのかを一緒に考えてみましょう。
ここにある情報は私が実際に飛ばした経験と、本やインターネットで見つけた物をまとめたものです。
間違いやアドバイスなどありましたら、メールか掲示板で教えて貰えるととてもありがたいですね。

本はAsamiさんの発行する「オールドバザドのソアリングブック」を参考にしています。

それから、実機グライダーの本ですが
酣燈社の「風を聴け」 著者 丸伊 満 は、
とても良い本なので機会があったら見てみて下さい。(ちょっと高いけど)
 

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NEW!
★ サーマルのビデオ 


Thermal video

 
上に吹く神秘的な風、サーマル。

私たちはグライダーを飛ばすことでその存在を感じていても、
ほとんどの場合は目で見ることが出来ません。
しかし、まれに川の水温が周囲の気温より高いために、
発生したサーマルが立ち上る湯気のように見える時があります。
このビデオはそれを映したものです。

実際には、このようにひっきりなしに
サーマルが発生することはなかなか無いでしょうが、
グライダーを操縦している時に、目には見えなくても
これに似た現象が起きているということを視覚的にイメージするのは、
サーマルを捕らえる練習には有効なことかもしれません。
 

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平地でサーマルと遊ぶのには、軽いハンドランチグライダーが最適です。
時々風がフワッと吹いて、しばらくすると止む
あるいは少し逆に吹く日は絶好のハンドランチ日和です。

まず風が止むのを待ちます。

草やススキをよく見ていると、風上から風がこちらに向かって、
サワサワとやってくるのが分かると思います。

無風状態の所と風が吹いているところの境目の、
少し手前に機体を放り投げましょう。
タイミングが大事です。
その辺でサーマルが見つかることが多いです。

それから風が止んで少し気温が上がったときには、
自分の真上にサーマルがあります。

その後冷たい風が吹き始めるので、
通り過ぎたサーマルに入れるために風下に思い切り投げると
ヒットすることもあります。

風にながれてくるサーマル周辺の風の動きは、大体下のイラストのようになります。
しかしサーマルはハッキリした形があるわけではないので、
必ずしもこの通りになっているわけではありません。
一つとして同じ形はなく、その風の動きもそれぞれだったりします。
そこが難しいところでもあり、面白いところでもあるわけです。
 

風上からサーマルが流れてくる場合の例
 
手投げする
私は投げるときは、数歩走って体重をかけてほぼ水平に思い切り投げています。
腕だけで投げようとすると肩を痛めますのでお奨めできません。
感覚としては、「走っている最中に突然何かにつまずいて手をつく!」ような感じで投げます。
その後エレベーターで急上昇させます。
この方法も人それぞれで、送信機側のスイッチでアップにする方法もありますし
最初から上向きに投げる人もいます。
自分にあった方法を色々試してみて下さい。
 
写真は第3回クラフトるうむカップの時のスナップです。機体はスプリントかな?
奥川さん写真有り難うございます。

最新ハンドランチの飛行を見たことがない方は、この写真が信じられないかもしれません。
写真では機体はまだ上を向いているのでもっと上昇します。(20m位まで上がる!)

これは決して腕力だけではなく、コツと機体性能が大きな要因です。
皆さんにも必ず出来るようになります。



DL(SAL)

さらに、最近では翼端投げDL(SAL)により、
35Mから40Mも投げ上げられるようになってきました!

翼端投げDL(SAL)のページはこちら>>>

  見聞録(静岡ハンドランチ大会)の記事はこちら>>> 
  

 
サーマルの出来やすい所
 

赤↑上昇気流  青↓下降気流
 

時間帯としては日の出から2〜3時間後地面が暖まりはじめて、
気温と地面の温度差があるときに頻繁に発生します。
日が沈む少し前、気温が下がり始めた時にも出来ることがあります。

湿度が低い日の方が大きなサーマルが出来やすいらしいです。
夏よりも冬の方が良く上がるのはそのせいかもしれません。



サーマルを上から見たところ

サーマルを見つけるために釣り竿の先にテープを付けたものを、
何本か立てておくのは大変有効です。
テープのなびく方向があべこべになった時はサーマルの可能性が高い。
テープの指し示す方向に投げ入れましょう。
上昇気流の中での機体の挙動

テールを上げぎみにして左右の翼がフラフラと振られる。
頭を下げているにも関わらず少しずつ上昇する。
少々スティックをアップにしても失速する気配がない。
空気が濃くなったような感じがして、エレベーターの効きが良くなる。
焚き火の上で新聞紙が舞うような感じになる。

機体が上昇するまでは行かなくても、そのままなかなか降りてこないときは
生まれたばかりの弱いサーマルの可能性があります。
慎重に粘っているとサーマルが成長し、だんだん上がっていくこともあります。


下降気流の中での機体の挙動

テールを下げてスピードが落ち、機体が溺れるような感じがする。
空気が薄くなったような感じがして、エレベーターの効きが悪くなる。
翼が浮く力を失ったように降りてきてしまう。

このようになったら一刻も早くそこから脱出しなければなりません。
機首を下げスピードを上げて一気に通り抜けるようにしましょう。



機体がサーマルを通過した時は、そこだけピョコンと高度が上がります。
すぐにUターンして戻って旋回させます。
機体だけを凝視するのではなく、
回りの景色と比較するようにすると見つけ易いようです。
 
 



機体がサーマルの横をかすめたときは、サーマルのある方の翼端が上がります。
そのままでいるとサーマルと逆の方に行ってしまいますので、
上がった方に旋回させます。
 


浮くポイントを見つけたら旋回しながら徐々に寄せていきます。
さあ、ロデオの始まりです!
サーマルは機体をはじき飛ばそうとしますので、
全神経を機体の挙動に集中して、
あなたのスティックさばきで一番浮くポイントをキープし続けましょう。
ここが一番面白いところです!
機体はどんどん上昇していきます。
サーマルは風とともに去っていきますので、それに合わせて機体も流して行きます。
特に風下に移動させようと意識しなくても、
旋回を一定に保っていると勝手に流れていくことが多いです。

条件が良い日には点になるまで上がることがあります。
機体に住所と連絡先を書いておくことをお奨めします。(笑)


ハンドランチでサーマルを見つける場合、
私が実際に飛ばしていていくつか発見した法則があります。

周りの空気が突然ふわっと暖かくなった時には、ほぼ確実に自分の頭上にサーマルがあります。
そのあと、冷たい風が風上から吹きますが、
その時は自分の風下10m前後にサーマルがあることが多いみたいです。

一番重要であるはずの、風上にあるサーマルを探すには、
残念ながら、このように肌で感じる温度などで判断することが出来ません。
機体の挙動に全神経を集中し、「サーマルかな?違うかな?」と感じたときは、
それは絶対サーマルです!!

失速させないようにその場で旋回させ、
サーマルが成長するまで粘り続けると、徐々に上がってくることがあります。

トンビが旋回しているのを見つけたら、是非一緒に旋回してみてください。
彼らはプロですから、絶対サーマルを逃すことはありません。
ある程度高度が必要ですから、モーターグライダーの方がやりやすいと思います。


サーマルグライダーはフワフワ飛ぶだけで良いかというと
そうでもありません。
降りてくるまでの限られた飛行時間で、
なるべく広い空域のサーマルを検索できるスピードも大切です。
ハンドランチグライダーは特にそうですね。

機首を上げ気味に飛行していると、滑空比は著しく悪化します。
サーマルを探している時、サーマル旋回時、下降気流の中にいる時など、
その時に応じてちょうど良い滑空状態になるように、
常にエレベータを調整しなければなりません。
サーマルの中ではかなりアップにしますし、
下降気流に捕まった時には、速く逃げ出すためにダウンにします。

ハンドランチグライダーを飛ばしている人を見ても、
ただフワフワしているだけのように見えるかもしれませんが、
実は1投1投が真剣勝負なのです。

釣りのアタリを察知するような感じです!
難しいから面白いんですね。
1年に1度あるかどうかの大物をヒットした時の感動は、
言葉では言い表せません!

多くの場合、はっきりとした機体の動きがあるわけではなく、
「なんとなく感じた・・・」程度の挙動です。
なるべく軽い機体の方がはっきり分かります。

サーマルからの脱出
サーマルを追い機体が風下に行ってしまった場合は、
脱出し手元に戻すことになりますが、
なるべく高度をロスしないように離脱したいものですね。

サーマルの回りは下降気流に覆われているので、
一気に突っ切る必要があります。

サーマル旋回中に更に急旋回してリフトの中心に向かい、
その上昇気流のエネルギーを利用してエネルギーを貯め
ダイブさせてスピードを上げ離脱します。

真っ直ぐこちらへ向かって脱出してこないようにします。
最大の下降気流はサーマルのすぐ後にあるために、
横方向に脱出する方が良いとされています。

離脱した後はヨットのようにタッキングを繰り返し、サーマルを探しながら帰ってきます。

サーマルの探索の注意点
空気が常に風下に向かって流れていることに気を付けないと、
「同じ空気を二度探索する」間違いを犯しやすいので注意が必要です。
例を見てみましょう。

グライダーを上げ、左に90度ターンをしサーマルを探します。


更に左に90度ターンし風下に向かいました。


また90度ターンしてサーマルを探しながら帰ってきました。

ところが、ここで調べた空気は最初に調べ終わっていることになり、
全く無駄であることが分かりますよね。

高度を処理してハンドキャッチ
ハンドキャッチするには高度がありすぎるときの便利な技です。
 
 


翼を左右に傾けないように注意して
5〜10mほど手前でカックンとならない程度の失速をさせ、
エネルギーを殺します。
結構難しい技ですが、出来るようになると楽しいですよ。

  

きむらクラフトさんのサイトの[HLGを始めよう!]もとってもためになります。



ハンドランチグライダーは手軽ですが、とても奥が深いジャンルなのです。
投げ上げて、ただゆっくり降りてくるだけではないのですよ。
まだ経験したことがない人は一度やってみてネ!
 
  
 
NEW!
ショックコード用のゴムについて
「正確にはハイスタートラバーと言うらしいです」(^_^;)


チューブゴム
ホームセンターを探すと、飴色のチューブゴムがあると思います。
(時々ホースのコーナーにあったりしますが・・・)
大部分の人が使っていると思います。
私もしばらく使っていました。
このゴムは手に入れ易いというのが最大の利点です。

引っ張ると元の長さの3倍程度まで延びます。あまり伸縮性がありません。
耐久性は使い方にもよりますが1年〜1.5年程度でしょうか。



FAIラバー(3/16”)
フリーフライトのゴム動力機用のゴムです。
模型屋さんで注文すると3000円位で手に入ります。
箱の中にはかなりの長さが入っています。(正確には忘れましたが50m位)

フリーフライトのKOTOBUKI Air Kraftにあります。
 

ゴムの質は大変良いです。メチャクチャよく延びる。
しかし一本が細いため2〜4重にすると良いでしょう。
私はシャーレ翼のミニエリプスを飛ばす時は6重!にしていました。
何重にもすると切れたときに絡まりやすいのが欠点。
このぐらいになるとチューブゴムより強力になります。

すばらしいスピードで上がっていきます。
良く伸びるために上空高く上がっても引っ張る力が衰えないところがいいですね。
頂上付近で思い切りダイブさせて、うなりをあげて垂直上昇させるのが楽しいです。

7倍程度まで延びます。素晴らしい!
耐久性はあまりありません。1年程度です。



ホリデー・デザイン社のハイスタートラバー

アメリカのホリデー・デザインに注文していたゴムが届きました。
これは日本でも大変評判が良いゴムのようです。
ホームページには「他に例を見ない高性能ショックコード」と書いてあった。
つまり世界一?ホント?

2メータークラスのグライダー用は、 50 フイート入りで23ドルです。
ちなみにハンドランチ用は12ドル。 結構安いですね。

車のチューブのような黒色ですがこれは紫外線対策のためで、成分はまったく異なるらしいです。
触った感じがなめらかでよく延びます。
実際に使った感じもVery good!!です。

5倍程度まで延びます。 かなり良い!
耐久性はまだ分かりませんが、
ちょっとやそっとじゃ切れなさそうな感じがしますね! o(^-^)o
 

 

ダイブさせて高度を稼ぐ

シャーレ翼など翼の強度がある機体の場合は、
よく延びるショックコードを使い、頂点付近で思い切りダイブさせて
更に上昇させることが出来ます。
(注)この絵は分かりやすいように少し誇張して書いています。


 
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