QuickBlade EPPコンバット機
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ある日CombatWings.comにあるVideoClipsを見て、
EPP(発泡ポリプロピレン)製の機体の楽しさを知りました。
*この素材についての説明はEPPのページにあります >>>

図面
 


重心位置は機首先端から150mm位になっています。
これはかなり後ろ重心のセッティングで、運動性重視です。
動きがクイックすぎて操縦しにくい場合は、これより10mmから20mm前に重心を設定してください。



翼型



スペック
全長 
全幅 
全備重量
主翼面積
翼面荷重
翼型
機体構造
パワーユニット
コントローラー 
バッテリー
材料費
350mm
700mm
226g
12dm2
19g/dm2
MH46 > MH60
EPP+オラライト仕上げ
PJS 300 SF 3D + ペラAPC9x6
Phoenix-10
1040mAhリチウムポリマー3セル
約2500円?(モーターなどメカ含まず)
  
注意!
リチウムポリマー電池は過充電などで炎上することがあります。
充電時はセル数を絶対間違えないようにしてください。
 
 


切り出し

今回、カッターを改良しました。
その辺にあった角棒(垂木)に穴を開け、壊れたスポーツカイトのカーボンシャフトを通したものです。
以前のものよりシンプルでコンパクトになり、
懐が深くなったため、かなり翼弦がある翼もカットできるようになりました。


寸法に合わせて型紙を作り、EPP板にケガキを入れます。




ケガキ線に合わせて熱線カッターをぶら下げ、
スイッチを入れると自動的に切れていきます。

結構綺麗に切れていますね。

 


テンプレートをスプレー糊で貼り付け、いつものように翼をカットしました。
今回電源に使ったのは電動機用のバッテリーです。
ちなみにカット中の電流は2A以下でした。



 

翼の完成です!

この時点で26gでした。


モーターマウント

モーターマウントの材質は2mmベニヤ。
固定に使う白いシートはビデオケースを切り取ったものです。
ベニヤの前方にある出っ張った部分は、手投げ時に持つ所になります。


サーボの形に合わせて一旦主翼に穴をあけ、
くり抜いた発泡をスライスしたものを上から接着して蓋をします。


左右の翼の接着

マウントのベニヤを挟んで接着します。
接着剤はスーパーX。


垂直尾翼とエレボンの製作

普通にバルサでも良かったのですが、弾力のある材質を使いたかったので、
発泡ポリエチレンのシートを、プリンター用OHPシートでサンドイッチしてみました。

   

接着はスプレー糊です。       カッターで各部品を切り取ったところ。



フイルムを貼って完成!

この手の機体は、梱包用の粘着テープを貼るのが一般的ですが、
綺麗な色のテープが入手困難なので、
全体にスプレー糊を吹いてオラライトを貼りました。
思ったよりも綺麗に貼れますね。

垂直尾翼は翼に溝を掘って差し込み、スーパーXで接着してあります。

リンケージは0.8mmピアノ線。
動翼はヒンジテープ止めです。
ホーンはビデオケースで作り両面テープで貼り付けてあります。
受信機とコントローラーも穴を掘って埋めました。

横から見たところ。

ベニヤにはアルミテープを貼って高級感?を出してみました。
モーターPJS300SF、1040mAhリチウムポリマー3セル、プロペラは8x6です。


特製推力測定器での計測シーン。(笑)
全備重量226gの機体で、なんと静止推力は372g!です。
この時電流は最大8A。
このモーターは、さらに大径プロペラを付けると、
400gを軽く超える推力を得ることが出来ます。
なんと自重の2倍近い推力です! しかもダイレクトで・・・。
とんでもない時代がやってきました! (゚O゚;)


飛行インプレッション

早速飛ばしました。
このパワーユニットの組み合わせ、とにかく凄いです!! 
手投げ直後に垂直上昇!
しかも垂直上昇しながらガンガン加速していきます。
ここまでくると、驚きを通り越して笑ってしまいます。

220gほどのパークフライヤーが、まるでロケットのようになってしまいました。
機首を上に向けると5秒で点になってしまいます。
まるで、軽自動車にF1のエンジンを積んだような機体です。

スロットル全開で水平8の字をすると、目が付いていかないほどの運動性をみせます。

それにこの機体、驚いたことに
へたなグライダーよりも滑空性能がいいんです。
モーターを止めたあと、サーマルを取って上昇させることも出来ると思います。

プロペラも折りペラではないですし、バッテリーやモーターもむき出しなのですが、
なぜこんなに滑空するのか不思議です。

翼型のチョイスが偶然にもドンピシャだったのか?
発泡の目がディンプルの役目をして気流を整えているのか? (^_^;)

常時フルスロットルで飛ばしたわけではありませんが、
飛行直後、バッテリーやコントローラはほんのり暖かく感じる程度、
モーターにいたっては全く熱を持っていませんでした。

飛行時間は、時々垂直上昇などを楽しみながら、
滑空中にロールやループをしてグリグリ飛行させても、30分位は飛んでいます。
この前、30分を過ぎても垂直上昇していったのを見た時には、
さすがに呆れてしまいました。(^_^;)

有り余るパワー、長い飛行時間、クイックな運動性、
モーターOFFでの長い滑空、その上墜落しても絶対壊れない機体強度。
この機体は今まで私が作った電動機の中で、最高の性能を持っています。

実験工房ベストモデル賞を与えましょう! 

best_model_award.jpg


絶対壊れないから、フィールドに工具や接着剤も持って行かなくてもいいし、
バッテリー1個で飽きるまで飛ばせるので、充電器や予備のバッテリーも必要ありません。
持っていくのは送信機と機体だけ。 

車の助手席に機体を放り込んで近所の空き地に行けば、
おなかいっぱい遊べます。



この手の機体の自作は簡単です。
EPPでなくても普通の発泡スチロールや、スタイロフォームで作ることも可能です。
また、熱線カットでなくても紙ヤスリで削って翼を作ればOK。(ちょっと大変かも・・・)

モーターもGWS-50XC、130、180、280、380など色々なパワーユニットで飛ばすことが出来ます。
ブラシレス+リポ以外で私のお薦めの組み合わせは、
ユニオンのマイクロファンフライ用180モーター(モーターのみダイレクトで使用)+GWS-4025ペラ
ユニオンニッケル水素8.4V 300mAhです。
この組み合わせで非常に元気に飛びます。

このモーターは1300円〜1500円で手に入ります。
OKのカルダモン用のモーターや、ヒロボーの二重反転
室内ヘリ用のモーターも同じ物のように見えますね。

垂直尾翼が今の位置ですと、超低速時にフラットスピンに入りやすいようです。
出来れば下側にも垂直尾翼を付けることをお勧めします。

マウント部の強度が不足気味だったので、現在はこのようになっています。

フライトシミュレーターFMS用の機体はこちら

2003/6/22

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ムービー

http://www.youtube.com/watch?v=RQ_Ua50SREU

 
RCエアワールドさんが取材にいらっしゃった時の飛行シーンです。
ちなみに写真に撮りやすいように、いつもよりおとなしく飛ばしています。
記者の方は「これは絶対売れる!」って、何度も言っていましたね。 (笑)



(注意)
この機体の操縦は初心者では無理です。
おそらく1秒で墜落します。
飛行中に機体の動きにあわせて反射的に指が動くようになるまで、
簡単な練習機で数ヶ月はトレーニングする必要があります。

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