SouthernX-i インドアアクロ競技用機

 


インドアでパターンフライト

数年前からヨーロッパでF3A-I(インドアF3A)と呼ばれて行われてい た
室内でパターンやフリースタイル飛行を行う競技が、F3Oとして日本でも始まりました。

今までのSouthernXシリーズは、基本的にアウトドアで飛ばすために作られた機体なので、
スピードも速く、狭い体育館で飛ばすのはどうしても苦労します。

特に、いつもおじゃましている羽田の体育館は、
天井中央にスピーカーとワイヤーがあり、
いままでの機体でF3Oを行うのはほとんど不可能です。
これでは皆さんと一緒に遊べなくなります。(笑)

そこで出来るだけ軽くて小回りが利き、
ゆっくり飛べるインドア専用の機体を作ろうと思いました。



設計と切り出し

いつものようにメタセコイヤでモデリングし、それを印刷してコンビニで拡大コピー。
材料を切り出しました。

すべて3mm厚の30倍EPPです。


図面 


(これは水平尾翼を後退させた改良型の図面です)


組み立て

組み立ては、それぞれを十字に接着するだけです。

ヒンジテープの重量を無くすため、
動翼はすべて45度カットの先端部分を、所々3M接着剤で軽くくっ付け、
EPP自体の弾力によるヒンジにしました。



塗装

100円ショップ(ダイソー)の蛍光スプレーを吹いてみました。
翼端のマークとコックピットなどは、水性ペンキを2倍に薄めて筆塗りしました。
塗装による重量増加は0.5gほどです。



カーボン補強

 

前縁と後縁にカーボンシートを細く裂いたものを貼り付けて補強しました。
軽量化のためカーボン補強は最小限にして、
張り線をめぐらして必要な剛性を確保しようと思いました。



張り線

張り線を行う部分は小さく切ったグラステープを貼って、
裂けるのを防止しています。

胴体中央部には主翼と尾翼からの張り線が集中しています。
糸は非常に丈夫で伸びがほとんど無い、極細のケブラー糸を使っています。
ケブラー糸は東急ハ ンズで買いました。

尾翼の張り線はこのようになります。
胴体から水平尾翼に張り線をすることによって、
激しいアクロ飛行にも充分な曲げ・ネジリ剛性を得ています。



軽量モーターの自作

インドア用ブラシレスモーターは、一般のショップではなかなか売っていませんので、
CDモーターを改造して自分で作ることにしました。

  

モーター軸が太いと重量がかさみますし、大きなベアリングも必要になりますから、
小さなベアリングを使いステーター内部だけで支持する方式にしました。
内径差を埋めるため、APCペラに同封されているプラスチックのワッシャーを使いました。

薄いカーボン板から円盤状の部品を切り出しました。
突起部分は輪ゴムがかかってプロペラセーバーになります。

巻き線は0.4で、22ターンです。
欲張ってステーターを増やして1.5倍仕様にしましたが、
軽量化のためステーターはかえって減らすべきだったかもしれません。 (^_^;)
磁石はエアクラフトで購入。

重量はコネクター込みで14.5gです。

 

マウントを省略し、機首に糸で縛り付けます。(笑)



リンケージ

軽量化のため、すべてのリンケージは極細PEラインによるワイヤーリンケージです。
エレベーターは左右別々にリンケージし、左右連結用のピアノ線も省略。

ホーンはPPシートから切り出しました。
動翼の補強もかねています。

ラダーとエレベーターリンケージのようす。

クラフトるうむ スマートRX4 受信機はカバーを取り、
ヨシオカAtom54サーボとUEW線でハンダ付けしました。
もちろん、アンテナ線は極細ワイヤーに交換しています。

エルロンリンケージのようす。
1サーボで左右のエルロンにリンケージしますが、
左側は交差させて動作を逆転させてあります。

エルロンサーボはWAYPOINT W-060です。
もっと軽いW-038を 使いたかったのですが、
パターンフライト競技用としては、動作がイマイチ納得できなかったので断念しました。

スピコンはPHOENIX 10です。
カバーを外し、コード類はすべて極細に交換。
受信機とはUEW線で配線してあります。

バッテリーはポ リクエストXP300XP-2セルです。
フイルムを剥がし、コードを極細に交換。



脚の製作

離陸と着陸も採点されますので、どうしても脚は必要です。

すべりの良いフローリングの体育館で滑走出来れば良いので、
1mmカーボンロッドとピアノ線でスキッドを作りました。

交差させて胴体に糸で縛り付けてあります。


完成!

大体ショックフライヤーと同じサイズで、(少しスパンが短くて全長が長い)
ポリクエストXP300-2Sを積んで全備重量94gです。

早速飛ばしてみましたが、思った以上にゆっくりフワフワ飛んで、いい感じです。
今まで経験したことが無い浮遊感があり、姿勢を乱しても
いつまでも空中にとどまっているような感じがします。
この機体ならば、羽田の体育館でも規定のパターンフライトが出来そうです。

コブラ・ホバリング・トルクロールは、軽さもあって非常に簡単です。

ただ、アウトドアでは微風でもグラグラ振られるため、飛ばすのに苦労します。
これは本当にインドア専用機ですね。 (^_^;)


改良

エレベーターが敏感すぎる感じがしたため、水平尾翼を後退させました。
この機体には、この位の位置がちょうど良いようです。
水平飛行時の落ち着き感が上がり、トルクロールも更に楽になりました。

エルロンとエレベーターにもう少し剛性感が欲しかったので、
カーボン補強を加えました。

前方から張り線で引っ張っているので、垂直尾翼と水平尾翼に歪みが発生するようです。
対策のため端面にカーボンシートを貼りました。


インドアデビュー

12月11日、羽田インドアでお披露目しました。
色々な人に飛ばしていただきましたが、とても軽くてゆっくり飛ぶので
「飛ばしやすい」と高評価を頂きました。


写真は、前モデルより少し大きくなったショックフライヤーF3Aとの2ショットです。
どちらも室内パターンフライト用競技機。



★ フライトビデオ 
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RC-TV

日本のトップ・インドア・フライヤー惇樹くんに飛ばしてもらいました。

SouthernXi_1
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RC-TV

 


モーターの改良

今までのモーターでも飛行に支障は無いのですが、
機首から墜落すると、圧入したベアリングが後方にずれてしまうことが分かりました。
そこで、ユニオンのギヤダウンのパイプ部分を利用して改良しました。
1gの重量増加ですが、これで軸も安定しますし、
モーターを機首に糸で縛り付けなくても良くなりました。(笑)



パイプ部分を3M接着剤で接着しています。

今回、モーターを接着する前にマウント周辺のEPPの硬度を上げるため、
瞬間接着剤を染み込ませてみましたが、これがなかなか効果的。


FMS用の機体はこちら
FMS2.0 Alpha8用


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★ フライトビデオ 
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RC-TV

カーデンエアクラフトの小西さんに飛ばしてもらいました。

このビデオは未明さんのサイトにリンクしています。
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RC-TV

 


2005/11/16
    
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