Atlantis-6(ハンドランチグライダー)
 

スペック
全長        :1190mm
全幅        :1500mm
主翼面積 :21dm2
主翼翼型 :AG18
全備重量 :220g〜240g
翼面荷重 :約10.5g/dm2
中央翼弦 :185mm
胴体材質 :FRPキャノピー(底面1mmベニヤ)+カーボンパイプ

主翼構造 :スタイロフォーム+
        マイクログラスFinish550 0.050mmのエポキシ直貼り

        スパーは1.5mmカーボンロッド
尾翼構造 :バルサ+フイルム貼り
 
    取り扱い・組み立て説明書のダウンロード
   
      00表紙
      01注意事項・仕様メカ・工具
      02部品リスト
      03ブーム・尾翼削り
      04尾翼フイルム貼り・パイロン
      05尾翼取り付け
      06パイロンの補強・サーボ取り付け
      07ポッド下面取り付け
      08エルロンカット指示図・前縁成形
      09エルロンカット端面処理
      10主翼左右接着
      11エルロンホーン・ペグ取り付け
      12主翼マウント取り付け
      13主翼ネジ止め
      14尾翼リンケージ
      15エルロンリンケージ
      16キャノピーと配線
      17飛行・SAL・フラッター
      18プロポ・サーマル・スロープ・あとがき
      19垂直尾翼・バルサパーツ型紙
      20水平尾翼型紙


開発エピソード


SAL入門者のためのキット


ハンドランチグライダーの飛行をいままで見たことが無い人に、
私が実際にSAL機でサーマルを捕らえて、10分程度の時間高高度を飛ばして見せると、
だれもが一様に驚き、ほとんどの人に「これは是非やってみたい!」と言われます。

そして、そのあと「どのキットを買えばいいのですか?」と質問されます。
でも、そこで私は言葉に詰まってしまうんです・・・。(^_^;)



高額な値段の競技機の性能が素晴らしく、サーマルにも乗りやすくて
飛ばして一番楽しいのは分かっているのですが、
やったことが無い人がそのような高価な機体をいきなり買おうとはしないでしょう。

安いSAL機のキットは無いわけではないですが、
きちんとサーマルハントを楽しめる性能を持つ2万円以下のSAL機となると
ほとんどありません。

そこで私は、入門者用に出来る限り安くサーマルハントが楽しめるSAL機のキットを
開発しようと思い立ちました。


入門者には小型のSAL機?



最初は入門用として小さな機体を考えていました。
EPPやスチレンペーパーの翼を持つ安くて小さいラダー機(スパン800mm)です。

しかし、実際に作ってみるとEPPの薄翼では剛性が保てず
面倒なフイルム(PPテープ)貼りが必要になったり、
製作者にも軽量化の技術がいりますし、
飛ばしてみても滑空性能が良いとは言えないものでした。

この機体をこのままキット化に向けて進化させていったとしても
フルサイズのSAL機の飛びには到底かないませんし、
買ってくれる人も飛ばしていてストレスが溜まるだけでしょう。
それに飛ばしていてサーマルに乗れない時に、
「入門用の機体だからしょうがない・・・」と諦めてほしくありません。

私はこの機体を数回投げて、すぐに
このコンセプトで進めることを止めました。(^_^;)


やはりフルサイズで

入門者とはいえ、出来るだけ高性能な機体を飛ばしたいはずです。
ある程度コストはかかりますが、やはり直貼りのフルサイズの機体でいくことにします。

ただし、出来る限り高価な材料は使わないようにし、
誰が作っても確実に本来の性能が出るように、構造上の工夫をしなけなければなりません。


フルサイズの試作機



主翼を切り出し、フードセーバーでバギングを行ないました。

翼型は中央部からAG18AG18AG19です。
一般的なAG455AG46AG47を使わなかったのは、
より薄翼で抵抗が少なく滑らかなキャンバー付きなので
浮きが良いように思えたからです。

翼型比較


AG18を採用することにより、翼を薄くし
さらに翼弦も減らして空気抵抗を抑えつつ、翼を軽量に製作します。

また後縁が真っ直ぐになる位に翼に後退角を付けてノーズも延ばし、
重心調整のためのバラストを少なくしようと考えました。



胴体ポッドはソフトバルサで作り、フイルムを貼りました。
ボックス状でかっこ悪いですが、コストをかけずに
なるべく簡単に作ることが出来なければならないので仕方ありません。

機首ブロックはEPPを使用し、耐衝撃性を持たせてみました。
メンテナンスハッチは下にあり、全高をギリギリまで抑えるためサーボの底面が見えています。

試作1号機完成


軽く投げてみましたが、歴代のAtlantisシリーズの中では
もっとも良い滑空性能が出ているようです。
高価な材料を使っていない割には充分軽いですし、(この時は全備240gほど)
薄翼化により空気抵抗が大変少なく、滑るように滑空します。



AG18は思った通り、とても良い翼型のようです。
ただ、今の設計では翼端の剥離が少しだけ早く、
低速での急旋回を行なう時に不意に落ち込む時がたまにあるので、
グライダー入門者でも飛ばせる操縦性になるまで改良が必要です。



ためしに思い切り投げてみたら、バルサ製ポッドが遠心力で折れてしまいました。(^_^;)
重心調整のため長めになっていることもあり、バルサだけでは強度が持たないようです。
この部分は根本的な設計変更が必要ですね。


改良版



カーボンパイプを機首まで延長し、サーボもパイプに直付けすることにしました。
これで折れる心配も無くなります。

主翼もパイプにネジ止めなので、製作時に自由に取り付け位置を選べます。
このため、機首に色々な重量のメカを搭載してもバラストを積むことなく、
重心を合わせることが出来るようになりました。



ポッドはとりあえず、PPシートを巻いてテープで留めて作ってみました。
機首付近までカーボンパイプがあるので、ポッドに剛性はいりません。



水平尾翼はパイプの下に付けました。

ちなみに水平尾翼が下に付いていると、ランチの時にパイプはアップ方向に曲がり、
上に付いているとダウン方向に曲がります。
ランチ直後にダウン方向に曲がるのは危険なので、
水平尾翼は下に付いていた方が安全面で良いと思います。
もちろん、これは充分な剛性があるテールブームの場合には問題になりません。

また、水平尾翼が下に付いている場合は、
ランチの瞬間、パイプが垂直尾翼が向こう側に倒れるようにねじられ、
上に付いている場合は手前に倒れるようにねじる力が加わります。
(ランチと尾翼のねじれの関係は、以前実験済みです)

垂直尾翼は多くの場合上の方の面積が広く、
ランチの時に手前に倒れるようにねじる力が加わるので、
水平尾翼を下に取り付けてねじる力をキャンセルさせるレイアウトを採用したほうが、
より軽いパイプでも問題はおきにくいので軽量化に有利だと思います。



早速この仕様で飛ばしてみましたが、明らかに性能が上がっているのが分ります。
初めて全力で投げてみましたが、大変空気抵抗が少ないので、
高い初期高度が楽々得られますし、重量も軽いので浮きも操縦性も大変良好です。

前作のAtlantis-5と飛ばし比べてみると、感覚的に2倍もの性能差があります。(笑)
私は「いままでこんなひどい性能の機体を喜んで飛ばしていたんだ」と言うことに
気づいて愕然としました・・・。(^_^;)



翼弦がまったく違うのが分ります。
薄翼ですし、重量もずいぶん軽くなっています。



低速旋回時に時々翼端から落ち込む癖があるのは、
翼端部分の面積が足りないことが原因の一つのようなので、
翼弦を増やすために0.2mmのプラ板を後縁に取り付けてみました。

翼弦を変えて色々試してみたところ、最先端の翼弦はランチ高度に大きな影響があり、
増やすとランチ高度が明らかに低くなってしまいます。
結局この機体の場合、最先端の翼弦はそのままに、
外翼と内翼の境目の部分の翼弦を10mmほど増やすのが
一番良いフィーリングが得られるようです。

また、翼端のAG19があまりにも薄すぎて正確に再現するのが難しいことも
気流剥離の原因の一つではないかと思います。(特に前縁が難しい)
翼型は、フルスパンにわたってAG18だけ使用した方が
良いフィーリングが得られるのではないかと思われます。



翼端形状も色々な形を試してみました。



翼端形状を変えてもそれほど大きな飛びの違いは無いですが、
もっとも変化があったのは
この写真のように尖らせた形状の翼端を追加した時です。
なんともいえない滑らかで素晴らしい滑空フィーリングが得られます。



ただ、この場合は主翼のスパンが伸びたせいかもしれません。
それに滑空は素晴らしいですが、これを付けるとランチ高度がかなり落ちてしまいますし、
コスト面でも厳しいものがあります。



翼端の尖った部分を切り取ってみました。
これはまあ良くも無く、悪くも無くと言う感じでした。



最終的には、このような普通の形にすることにしました。
四角いままでもほとんど性能差はありません。



水平尾翼を現場で切り取って、最適な面積を探してみました。
かなり小さくしても普通に飛びますし、滑空時の抵抗も少なくなるのですが、
あまり小さいと風に弱くなるようなので、当初よりも少しだけ小さくする程度にしました。



最も驚いたのは垂直尾翼を切り取った時です。
ランチ高度があきらかに高くなりました!
滑空時の操縦性や安定性も特に問題ありません。

ランチ高度が上がったことは、いままでの私の考えとはまったく逆の現象です。
私は「垂直尾翼は大きい方がすぐに機体は真っ直ぐになるため
より高いランチ高度が得られる。」
とずっと思い込んでいました。

あまりにも意外だったので、もう一度切断した部分を付け直し、
何度も投げ込んだあと、再び取り外してテストしましたが、
やはり見た目ではっきりわかるほどランチ高度が高いです!

小さい垂直尾翼ではランチ直後のドリフトはたしかに大きくなるのですが、
ドリフトしている時の垂直尾翼の抵抗が小さければ、
相対的に上昇エネルギーをあまり失わなくて済むという事なのかもしれませんね。
まったく意外な実験結果です。(^_^;)

もちろん、小さい尾翼は空気抵抗が少なくなりますし、
機首バラストが少なくてすんだりしますから、
ランチ高度以外のメリットも多いはずですね。




キット版試作機



Atorie_m_mの津守さんへ図面を渡し、しばらくしてキット版の主翼が届きました。
津守さんは今までバギングの経験がまったく無かったにもかかわらず、
いきなり素晴らしい出来の翼が送られてきてビックリしました。(^_^;)
ありがとうございます。



ポッドはFRPのキャノピーと、底面に1mm航空ベニヤを組み合わせることにしました。
もっと凝ったカッコいい形にしたかったのですが、
簡単に量産できることと分割しないで抜けることを考えてシンプルなデザインになっています。

この写真ではバッテリーにCR2を使っていますが、
リポ1セル仕様にすると、全備重量は220gほどに仕上げることが可能です。



ポッドはキャノピー方式なので、狭いグライダーのリンケージに不慣れな人でも
比較的楽に作業できますし、メンテナンスもやりやすいと思います。
全てのリンケージがむき出しなので空気抵抗の面では不利ですが、
ハンドランチ入門者向けの機体なので、あえてこのような仕様になっています。



誰でも確実にリンケージ出来るように、ボンダブルテフロンチューブなどはあえて使わず、
オーソドックスなカーボンロッドとピアノ線のリンケージを採用しています。

ロッドのガイドは収縮チューブをテープで留めただけです。
収縮チューブは大変軽くてすべりが良いので、
ガイドに使うにはノイズレスチューブよりもいいですね。



キット版を飛ばしてみました。
とても良い性能が出ています。o(^-^)o

外翼と内翼の境目の部分の翼弦が少し増えて、フルスパンにわたってAG18になったことで、
翼端の剥離癖が綺麗に無くなり、低速で旋回しても不安無く飛ばすことが出来るようになりました。

また、私が作った翼より確実に出来が良いことと、(笑)
前縁のバリ取りとR付けをいつもより丁寧に行なったのが良い性能を生んだようです。



試作機(奥)とキット版(手前)です。
見た目はほとんど同じですが、飛行性能は確実に上がっています。

ちなみに、この機体は当初「SALトレーナー」と言う名前でした。
しかし、過去のAtlantisシリーズを圧倒する高性能を得るまでに進化したことで、
「SALトレーナー」ではその飛びのイメージに合わなくなり、
「Atlantis-6」として発売することに決めました。



なお、説明書内で
「Atlantis-6は、エルロンでバンクさせると自然に機首が内側に向くように設計されているため、
アドバースヨー対策のエルロンデファレンシャルや、エルロン>ラダーミキシングはいりません。」

と書いてありますが、これは私がそのような特別な設計技術を持っているわけではなく、
昭和記念でエキスパートの方に指摘されて実際にそれらをのミキシングを切って試した結果、
ミキシングが無い方が明らかに良好な操縦性と飛びが得られることが分ったからです。

私は、グライダーのセッティング場合、
「エルロンディファレンシャルと、エルロン>ラダーミキシングは必ず入れるもの。」
と思い込んでいて、何の疑問も持たずに飛ばす前から設定していました。
しかし、これらを切って飛ばしてみると
エルロンを切った時にグラッとよれるような不快な挙動は無くなりますし、
その時の高度沈下も明らかに少なくなり、エルロンのダイレクト感が増したうえに、
操舵した時の空気抵抗も減ったように感じました。

どうやらミキシングによるアドバースヨー対策は、
上反角が大きめで軽量なハンドランチ(特に翼が軽量で慣性が小さい機体)の場合は、
しなくても良いようです。

エルロンデファレンシャルは操舵中に揚力をかなり減少させるはずですから、
多く入れれば旋回時に落ち込む量も多くなるでしょう。
ただ、これは重量があって慣性が大きく上反角が少ない機体
(アドバースヨーが激しい機体)の場合は
入れなければうまく操縦出来ないかもしれません。

エルロン>ラダーミキシングもよく考えてみれば、
エルロンは旋回を始める時だけに使うものではないので、
無い方が良いシーンも多々あるはずです。
たとえばサークリングしている時に、乱流によりバンクが深くなりすぎた場合、
素早くエルロンを切って最適なバンク角に戻さなければならないのですが、
その時ラダーが旋回の向きとは反対側に自動的に切れては困ります。
このようなシーンでは、エルロン>ラダーミキシングはまったくの逆効果になり、
かえって横滑りを大きくする原因になりそうですね。

と言うことは、エルロンとラダーは
送信機のミキシングを設定して最初から舵を混ぜてしまうのではなく、
操縦者がそのシーンに応じて手動でミキシングを行なう方が良いフライトができそうです。



Atlantis-6は、設計者として非常に満足のいく性能を持つ機体になりました。
しかし、高価なトップクラスの競技機と肩を並べて戦えるほどの性能だとは思いません。

特に、出来る限り安い材料を使っているために
ランチ強度の面でそれらの機体たちに対してハンデがあります。

私のフルランチ程度では通常は問題が起きないのですが、
強風で変にこじったランチするとエルロンにフラッターが起きることがありました。
フラッターの原因を探ったところ、どうやら機体やリンケージの不具合ではなく、
使用している4.7gサーボが負けているようです。
エルロンを指で動かしてみるとサーボホーンがかなり動いてしまいます。

おそらくもっと頑丈なサーボに交換すれば
ランチ高度を上げることも可能かもしれませんが、
それをテストするには私のランチ力では無理ですし、(笑)
SAL入門者でいきなり40mを投げる人はそれほど多くないでしょうから、
軽量化と価格を優先してこのような仕様になっています。



Atlantis-6は競技に勝つためではなく、
SAL入門者にサーマルハントの楽しさを味わってもらうために生まれました。
そのため、ランチ強度を上げることで重量がかさみ
サーマルに乗るのが難しくなるようなことは避けるべきだと思いました。

Atlantis-6は、滑空や操縦性は大変良い性能を持っています。
軽量でサーマルにも良く反応し、楽しくサーマルハントが出来る機体になっていると思います。
特にキャンバーの付いた翼型による弱いサーマルでの浮きの良さは、
数あるハンドランチのキットの中でも特筆してもいいでしょう。

なお、この機体の量産には手間がかかりますので、1日〜2日に1機しかキットが出来ません。
しばらくは入手難が続くと思いますがご了承願います。

Atlantis-6の値段を考えると、コストパフォーマンスが
非常に高い機体であることは間違いないと思います。
この機体で一人でも多くの人が初めてサーマルに乗せた感動を味わえることを望みます。
 
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製造・販売 atorie_m_m


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同じ日の違う角度からのビデオです。
としちゃんどうもありがとうございます

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つばささんがプロモーションビデオを作ってくれました。
作曲はよっぴさんです。どうもありがとうございます。
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RC-TV

 

 

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Atlantis-6製作と飛行に関する注意点

重心位置について


重心位置は必ず正確に
合わせてください。
この機体は重心位置に敏感で、5mmもずれると性能がガタ落ちになりますので注意してください。

ただ、フィールド全体に非常に強い乱気流が発生している時は、
浮きを犠牲にして5mm位前方に重心を移動させてもかまいません。



尾翼の補強について

Atlantis-6の尾翼に説明書の指示以外の補強はいりません。
日本一のハードランチャーである朝妻さんのフルランチでも尾翼は壊れませんでした。
主翼には折れ目が入ったけど・・・。
(^_^;)

マイクログラスは垂直尾翼と水平尾翼の両面に貼りつけてください。
片面だと強度が足りなくなります。

Atlantis-6は200gクラスの軽量機ですし、
尾翼は小さめなので地面に接触しても壊れる気配がありません。
逆に300gクラスで大きめの尾翼を持っている機体の場合は、
補強を入れなければ持たないでしょう。
200gの機体と300gの機体では、
「クラスが違う」と言っていいぐらいの感覚の違いがあります。

ただ、フィールドが川原の砂利である場合は、
Atlantis-6の尾翼でも垂直尾翼下側の補強が必要になるかもしれません。


水平尾翼マウントについて

この機体はユーザーが水平尾翼のマウントを削り出す仕様になっているために、
パイプに接着される逆R部分を、きちんとパイプに水平に削らないと
取り付け角が狂ってしまいますので注意してください。
マウントを接着する前に、定規を当ててみてパイプと平行になっているか確かめるといいでしょう。


主翼の前縁について

前縁は必ず綺麗な翼型になっている必要があります。
Atlantis-6の製作において、この部分の削りだしは最も苦労する部分ですが、
ここをいい加減にやると
非常に性能が悪くなりますので注意してください。

また、主翼の前縁の削りだしのゲージがレーザーカット部品の中に入っていないのは、
レーザーカットすると端面がこげるため、それを前縁に当てると
真っ黒く付いてしまい非常に目立つからです。
紙やすりで削った傷の奥に入り込むと、どんなに拭いても黒いしみが取れなくなります。


主翼の左右接着について

主翼の左右接着手順の詳しい説明
1) 主翼の下面中央にマスキングテープを貼って、左右を仮留めしておきます。
2) ビニール袋を切り取ってシート状にします。
3) マジックでシートの表面にカットするラインをあらかじめ描いておきます。
4) マイクログラスを必要な面積より少し大きめにカットします。(繊維を斜めに使ってください)
5) 30分硬化型のエポキシ接着剤の主剤と硬化剤を合わせて練ります。
6) シートのマジックで描いていない面(裏面)に、へらを使ってエポキシ接着剤を出来るだけ均一に塗ります。
7) 接着剤を塗った所にマイクログラスを置きます。
8) もう一枚シートを被せてサンドイッチにし、均一に指で押えます。
9) 主翼を折り曲げ、接着面にエポキシ接着剤を塗ります。
10) 主翼を元に戻し、接着剤がはみ出た部分を接着剤多めの範囲の指示に従って指で塗り延ばします。
11) マイクログラスをマジックのライン通りに切り取ります。
12) 片面のシートを剥がし、ステッカーを貼るように中央部に載せます。
13) 指で押えて気泡を追い出します。(接着剤多めの範囲はあまり強く押さないでください)
14) マスキングテープで前後方向に引っ張ってしわを伸ばし、そのまま硬化するまで待ちます。
15) 硬化したら裏面も同様にマイクログラスを貼ります。
16) ビニールシートを剥がしてはみ出した部分を切り取り、紙やすりで仕上げます。

上面のエポキシ接着剤を多めに盛る部分は必ず行なってください。
非常に強い圧縮と曲げ応力がかかりますので、マイクログラス1枚だけでは持ちません。



ただし、マイクログラスではなくカーボン繊維+エポキシ樹脂で左右接合する場合には
エポキシ接着剤を多めに盛る作業はいらないかもしれません。


フラッターについて

4.7gサーボを使用していて、
変にこじったランチをするとエルロンにフラッターが起きることがあります。
スムーズに投げればフラッターは起きないのですが、
もしいつもフラッターが起きるような場合は、以下の対策を試してみてください。

リンケージにガタや力の逃げが無いか確かめる。

ランチモードでのエルロンの跳ね上げ量を増やしてみる。(跳ね上げを多くすると止まる場合が多いらしい)

サーボギヤのガタが無いか、ホーンの剛性が充分か確かめる。(場合によってはサーボを交換する)

サーボホーン側のリンケージを内側の穴に変えてみる。(舵角は小さくなります)

リンケージのピアノ線を一回り太くしてみる。

エルロン先端の三角形部分の溝にテープなどを貼って動きを制限してみる。
                          (効果があった場合はバスコークなどを溝に充填する)

エルロンサーボを翼内に内蔵して、リンケージをエルロン中央に近い部分に接続する。


尾翼の製作について

バルサの幅が足りない場合はハギレを継ぎ足して使ってください。
瞬間接着剤、セメダインC、木工用ボンドなどが使えます。

同封されるフイルムは、裏面にある透明フイルムを剥がしてアイロンで貼ってください。
貼り方はこちらのページが参考になります


CR2とリポ1セルの比較
CR2と、リポ400mAhの1セルの比較です。
------------------------
CR2 2個 約20g 850mAh
リポ 1個 約10g 400mAh
------------------------

単純に、リポ400mAhと比べてCR2は容量が2倍ちょっとで
重量も2倍ぐらいと言う感覚ですね。(電圧が違いますが)

信頼性と扱いやすさはCR2が良く、
軽さとコスト(充電器をすでに持っている場合)はリポが良い感じですね。


リポを使う場合の注意点


私は300〜400mAhのリポ1セルを昇圧無しで使っています。
今までトラブルはありません。

使用時間は30分を目安にしています。
フィールドには充電器を持っていって、20分位遊んだら充電器に繋いでいます。

昭和記念公園など、車から飛行エリアまで遠いときには、
1800mAhのリポ3セルを電源にして、小さな充電器で充電しています。
大体、1つの競技が終わったら必ず充電器に繋ぎます。

電圧によるオートカットなどは付いていないので、常に過放電には注意が必要です。
投げる前には必ず舵を動かしてみて、少しでもサーボスピードが遅くなったと感じたら、
投げるのを中止し、バッテリーを交換するか充電してください。




キャノピー固定について

機首の強度が心配な場合は固定するテープを増やしてください。



また、スイッチとコネクターを追加し
キャノピーを開閉せずにon offと充電が出来るようにしておけば、
全周にわたってテープ固定が出来るため、さらに剛性が上がります。



機首(カーボンパイプより前の部分)の長さについて

前後に長い受信機(コネクターを含む長さ)を使い、
バッテリーにCR2を使用した場合、機首ポッド下面の航空ベニヤパーツを
かなり前方に出さなければならなくなるため、接着面積が不足し、
まれにランチ時の遠心力に耐えられなくなる場合があります。
前後に長い受信機を使う場合は、小型のリポを使用するなどして
機首があまり長くなりすぎないようにしてください。

前縁の強度について

前縁をなにかにぶつけてしまうとすぐに凹んでしまいますので、
出来るだけ前縁をぶつけないように扱ってください。

この機体はグライダー未経験者でも
サーマルに乗せやすくすることを最優先にしていて、
そのため翼も極力軽量に作られている上に、
極限までコストを抑えるコンセプトで作られているため、
ぶつけた場合の強度が華奢なのは、ある程度仕方ないと考えています。

軽量でなおかつコストが安く、ぶつけても壊れにくい機体設計は
今後の課題となっています。

前縁にエポキシ樹脂を塗り綺麗に仕上げることが出来れば、
ある程度の凹み防止になるでしょう。
ただ厚塗りは出来ないため、(翼型が変わってしまうと性能が落ちるため)
それほど大きな強度アップにはならないと思います。

コアまで削ってエポキシ樹脂を充填し、
翼型に仕上げればさらに丈夫になるでしょうが、
非常に手間がかかるでしょう。


エルロンのリンケージについて

説明書に指示されたブレーキ時の舵角が得られない場合は
下に書いたいくつかのチェックを行なってください。

*送信機側の設定でサーボ動作量が100%を超える設定にする。
  (150%など、できる限り最大に動くように設定する)

*送信機側の設定でエルロンの上方向の舵角を減らすことなく、
   エルロンの最大舵角が得られる位置でリンケージを接続する。

「送信機のニュートラル=エルロンのニュートラル」ではありませんので注意が必要です。
送信機側の0位置では両エルロンは下がった状態になります。

以上の設定を行なっても、ブレーキの舵角が説明書通りに得られないのであれば、
そのまま飛ばしてかまわないです。
着陸時に少しブレーキの効きが弱くなるだけで、飛行にはまったく問題ありません。

なおフタバのプロポは仕様により、JRよりも舵角が少し小さくなるらしいです。



Atlantis-6に関するQ&A


> 獲得高度はどうやって測ればいいですか?

私はフタバ産業で買った簡易高度計を搭載しています。
思ったより正確に出るようですよ。
http://www.f-sangyo.co.jp/shop/goods/goods.asp?goods=2000080000448

> 投げた後頂点でダウンを打って水平にもどした時、頭を下げてしまいます。

それはダウンを打つタイミングと、その時の操舵量によるものではないでしょうか?
私のAtlantis-6はそのようなことはありません。
もし、頂点で失速してガクンと頭を下げるのでしたら、
ダウンのタイミングが遅いかダウン量が少なすぎます。
機体自体には問題は無いと思います。

> 投げ方が悪いのか、ランチするとかなり急角度になる事が多いです。

投げ方の問題もあるかもしれませんが、
たぶんエレベータートリムを少しダウンにすれば簡単に直るでしょう。

重心位置は絶対に変更しないでください。
乱気流でどうにもならない時には5mm前にしてもいいですが、
浮きはかなり犠牲になります。
Atlantis-6は強風用の機体ではありませんので、
あまり風が強い日は飛ばさないようにお願いします。

> ブレーキはどこに割り当てればいいですか?

ブレーキはスロットルスティックに割り当ててください。
スイッチは微妙な操作が出来ないのでダメです。

> ハンドキャッチはどちらの手でやればいいですか?

どちらの手でキャッチしてもかまいません。
右でキャッチする場合はギリギリまでエレベーター操作が出来ますし、
左でキャッチする場合はエアブレーキの操作が出来るでしょう。
どちらかと言うと、私はギリギリまでエレベーター操作がしたいです。

>水平尾翼をテールパイプの上に取り付けたら、ランチがあがらなくなりました。

Atlantis-6の場合は水平尾翼を上に取り付けてはいけません。
ランチ時に下を向くのはそのせいです。
今からでも大丈夫なので、垂直尾翼のマウントをカッターで切り取り、
バルサの端材とベニヤで作り直してください。
たぶん簡単に作り直せるでしょう。

この機体は軽量化とコストダウンのため、
高価なテーパーのパイプを使用していないため、
尾翼関係の微妙なバランスでパイプがよれないようになっています。

水平尾翼が下に付いていると高速時にパイプは上方向に曲がりますが、
多くの場合垂直尾翼は上の方が大きく、
下方向に曲げる力がかかるためバランスが取れます。

また、ランチ直後のドリフト時には、
上の面積が大きい垂直尾翼は手前に倒れるようにねじる力がかかり、
下に取り付けられる水平尾翼はその反対にねじる力がかかるため、
それでねじれないようにバランスを取っています。

説明書通りに作らないで不具合が発生しているAtlantis-6が多いようですが、
この機体は必ず説明書の通りに作ってください。
組み立て方法や各部のデザイン、接着剤などの指示には全て理由があり、
変更した場合は必ず性能が落ちたり、
ランチ時に壊れたりしますので注意してください。

取り付け角も増やさないでください。
前に進まなくなりますし、ランチ時に大きな頭上げが発生します。
好みで0.5度ぐらい減らす分にはかまいません。


>主翼マウントの強度が心配です。

私自身が行ったの数多くのテストや、日本一のパワーランチャー?の
朝妻さんに投げてもらった時も、この部分はまったく問題がありませんでした。
もしベニヤの強度に不安があるのでしたら、薄いFRP板を購入して同じ形状にカットして
ベニヤ部品と交換するといいでしょう。
同様に、主翼マウントの両サイドにあるバルサが弱いと感じたら、
ヒノキ棒を利用して作りかえると良いと思います。

また、ランチ時に「パキッ」っと音がすることがありますが、
これは壊れかけているのではなく、
主翼マウントと主翼中央が擦れる音ですから心配しないでください。

>Atlantis-6用のFRPポッドを開発する予定はありますか?

ポッドを新たに開発する場合、
その型の製作と各種テストで1ヶ月以上の時間がかかります。

また、現状でも私自身のランチで壊れないため、新たなポッドが
現在の仕様よりも丈夫になっているかどうかもテストできないうえに、
コストもだいぶかかるため価格がかなり上がり、
説明書もほとんど書き直しになりますし、完成写真も全部撮影しなおしになります。
それから量産に手間がかかるため、
Atlantis-6は確実に今より2倍は手に入りにくくなります。

これらのことを考えると
ポッドを新設計することは残念ながら無いでしょう。(^_^;)

エアブレーキについて

>ホーンがニュートラルの時にエルロンは10mmダウンになる様にとの説明がありますが、
>この時スロットルスティックはどの位置にすれば良いのでしょうか?

ホーンがニュートラルでスティックは中立位置になります。
10mmダウンの位置にリンケージをしなければならない訳は、そうしないとブレーキの舵角が足りなくなるからです。

スティックがフルスロットルでフラップ(可変キャンバー)は0になるように調整してください。
滑空時はスティックが常にフルスロットル位置です。

エアブレーキはハンドキャッチ直前に使います。
ブレーキをかけてから実際にスピードが落ち始めるまで
少しタイムラグがありますので、練習するといいでしょう。

ハンドキャッチが苦手な場合は無理にやらなくてもOKです。
草むらに優しく降ろしてください。

ブレーキからエレベーターへのミキシングですが、
私は送信機設定で20%ほどかけています。


上手く飛ばすために

>着地の前にカックっと頭を下げてしまいます。 重心の問題でしょうか?

それは重心ではなく、おそらく飛ばし方に問題があります。
ハンドランチを飛ばすのが初めての方は、
必ずエレベーターをアップにしたまま飛行させようとします。
そうするとだんだん滑空スピードが落ちてきて最後には失速し、
ノーズを急激に下げ地面に激突します。

滑空時の機体姿勢は絶対に水平よりも上に向けないでください。
地面と水平か、ほんの少し下向きの姿勢を常に保ち、
スピードを落とさないように細心の注意をしてください。

風などの影響でノーズが上を向いた場合は
即座にダウンを打たなければいけません。
時にはフルダウンを打つこともあります。

滑空時は絶対に失速させないよう、
対気速度をキープ出来るようにエレベーター操作を練習するといいでしょう。

良い滑空をするためには、グライダーの滑空姿勢は非常に重要で、
操縦者は機体の姿勢と対気速度に全神経を集中させて操縦しなければなりません。

微妙なサーマルを捉えて粘っている時などは、
しばらく息を止めて集中することさえあります。


最適な上昇角度について

Chris Kaiserさんの研究によると、ランチ時の最適な上昇角度は約75度だそうです。

ただ、最適な上昇角度はその時の風によって違います。
極端な例では、強風の場合は意識的に角度を浅くして前方に向かって投げる必要があります。

なぜなら、真上に投げてしまうとサーマルを探すうちに
機体はすぐに風下にながされてしまい
手元に戻すことが出来なくなってしまうからです。

十分に手元に戻せる位の風であれば、真上に近い角度でも問題ないでしょう。
出来ればサーマルの位置に最初から当たりをつけて、そこに投げ込むほうが重要です。


エルロンサーボのギヤ欠け

私の機体では一度もサーボのギヤ欠けが発生していません。

原因としては、
フラップを下げたまま地面に着陸させてしまう。
リンケージに引っかかりや無理がかかっている。
ランチ時のフラッター、などが考えられます。

フラッター対策はこのページにある「フラッターについて」を参考にしてください。


可変キャンバーのセッティングについて

可変キャンバーですが、これは好みだと思います。
Atlantis-6を私が飛ばす場合は可変キャンバーを使っていません。

色々な設定で何度もテストしたんですが、
この機体は最初からキャンバー付きの翼型を採用していて、
しかもかなりの薄翼なので、
ランチ時もサーマル中もそのままの翼型でいいみたいです。


エルロンのカット形状(トリエルロン)について

Atlantis-6のエルロン先端は、トリエルロンと呼ばれる
競技用ハンドランチ独特のカット方法になっています。
これはエルロン先端の暴れを防止し、フラッターが起きにくくする作用があります。

ちなみに、先端のカット角度によって規制の強さが変わり、
Atlantis-6は浅めの角度なので規制は小さめになっています。

頭で考えると疑問が多いかと思いますが、
エルロンは正常に作動しますので指示通りにカットしてください。


これらのページも是非ご覧ください
    サーマルと遊ぼう!    ハンドランチグライダーの翼端投げ
                  

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