Atlantis-4
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Atlantis-3からAtlantis-4へ・・・

まだSAL(DL)機が珍しかった1年前は、トップクラスの実力があった?Atlantis-3も、
あれよあれよという間にいろんな機体に追い越され、
まったく太刀打ちできなくなってきました。 (^_^;)
あちこちの修理で老朽化が進んできましたし、新作ハンドランチを作ることにしました。

前作Atlantis-3は、すべてを犠牲にして手投げ時の獲得高度を重視した機体でした。
スピードはピカイチなのですが浮きが悪く、操縦性にも問題があったので、
軽量で浮き重視のラダーSAL(DL)機にすることにしました。



図面と完成予想図


 



 
機体の性格

Atlantis-3とAtlantis-4の性格は180度異なりますから、
フィールドの条件によって、機体をチョイスして飛ばすことが出来るようになります。

両機の比較



Atlantis-3

Atlantis-4
全幅1500mm 全幅1000mm
重量280g 重量100g
重くて頑丈
軽くて繊細
獲得高度とスピード重視
浮きと操縦性重視
広い飛行エリアで大きめのサーマルを探す機体
小さなサーマルでも捕らえることが出来る機体

Atlantis-4スペック

全長        :640mm
全幅        :1000mm
主翼面積 :14dm2
主翼翼型 :S4083mod
全備重量 :約102g
翼面荷重 :約7.3g/dm2

胴体材質 :塩ビ板 +カーボンパイプ
主翼構造 :スチロールコアバルサプランク+フィルム仕上げ
尾翼構造 :バルサ+フィルム仕上げ
材料費   :約5000円位?

 


翼のカットとプランク

   

いつものように発泡を切り出し、プランク材をスプレー糊で接着しました。
プランクには、なるべく軽いバルサを選びました。
バルサは東急ハンズで買うのがお勧め。
とても品質の良いバルサがそろっています。

スパーは2mmヒノキで、翼端まで入っています。
スパーの上下には、エポキシ樹脂を使ってカーボンとケブラーロービングを接着しました。

重量増加を抑えるため、スプレー糊は必要最小限のみ吹きつけ、
ロービングを接着する時も、段ボールの上でヘラで何度もしごいて
余分な樹脂を出来るだけ取ってから使用しました。

このような小さな積み重ねが全体の軽量化につながります。


翼の仕上げ

前縁材と後縁材を接着し、丁寧に紙ヤスリで成型します。
(後縁材は縦目のバルサ)
最後は1200番でツルツルになるまで磨きました。

上反角を付けるため断面に角度を付けます。
アルミアングルに紙ヤスリを貼り付けたもので削ると、正確に加工出来るのでお勧めです。

中央の上反角部分も同じように削りました。


この時点で主翼の重量は55g。



主翼の接着

主翼の各パーツの接着は木工用ボンドを使用します。
適度な弾力がこの部分の接着に最適です。


カンザシ部分の接合

  
ボンドが乾いてから、スパーの部分のプランクを一旦彫ってよく荒らしておき、
ロービング+エポキシ樹脂でスパーを連結しました。
エポキシ硬化後、穴をバルサパテで埋めます。
  
 
 


カーボンパイプの重さは必要な長さで3gでした。
昔、サノファクトリーで買ってあったテーパーの物です。



カーボンパイプ接着

  

翼の中央部分に溝を彫り、パイプとリンケージ用の糸が通るように加工します。

 

パイプの先端部分にバルサのガイドを埋め込み、左右の翼を木工用ボンドで接着しました。
中央部分のスパーの連結も、穴を掘ってロービングを埋める方法です。


尾翼の製作

尾翼は1.5mmバルサです。
一般的な肉抜きの穴は開けません。その代わりに補強も無しです。
尾翼の重量は6gです。

パイロンをバルサで作って瞬間で接着。



メカ部分

サーボはアサミで買ったドリームプラン DSP-1
バッテリーもアサミで買ったリチウムポリマー電池 3.7V/120mAh
受信機はクラフトるうむスマートRX4です。

メカ全パーツの重量は22g



アンテナ線の加工

アンテナ線をいつものように、TETTRAリンケージ用ワイヤー(S)に交換しました。
リンケージ用ワイヤーは髪の毛のように細く、切れる心配がありません。

交換方法

ワイヤーの被覆を長めに剥き、
剥いた部分を 同封されている
銅パイプに二回ほど通して、
プライヤーでかしめます。

 

フラックスを付けて注意深くハンダ付けし、
収縮チューブで絶縁します。

注) 私は今までこの改造でトラブルになったことは
一度もありませんが、

試してみたい方はくれぐれも自己責任でお願いします。
・・m(u_u)m・・ぺこ。

レイアウトして見たところ。
メカが機首に集中しているため、スペース的に非常に厳しい状態になっています。
バッテリーは裏側にテープで留めることにしました。


機首カバー部分

機首のケース部分は0.3mm塩ビ板です。
重量は6g

先端部分は弾力のある
EPP製クラッシュパッドです。

クリスタルはこの窓から交換します。
サーボが収まりきれなくて、
塩ビに切り込みを入れてあります。(^_^;)

★  完成!!  ★

早く飛ばしたーい!  わくわく o(^-^)o
被覆に使ったフィルムはアサミで買った超軽量ミラクルフィルムです。

  
尾翼部分のアップ
東急ハンズで買った細いケブラー糸によるリンケージ
尾翼の接着は瞬間接着剤を使用し、
剥がれ防止にケブラーロービングを沿わせてみました。


最終的なメカのレイアウト。
ピンセット無しでは組み立てられません。 
コネクターが邪魔なので直接ハンダ付け!(^_^;)汗


裏面にテープで取り付けてあるバッテリー。
電源スイッチは省略し、極小コネクターにより接続します。
重心位置はマークのあたりです。


初飛行

早速飛ばしてみました!

 

まず感じるのは圧倒的な軽さです。
翼端を中心にくるくる旋回できるのはもちろん、
90度ナイフエッジ状態で超急旋回をしてもあまり高度が落ちてきません。
今までRC機で経験したことのない不思議な感覚です。

目の前でナイフエッジになりながらクルクル回り続ける機体を見て、
大変なカルチャーショックを受けました。
例えるなら「超軽量室内機のような飛び方」だといえるでしょう。

思惑通り、浮きはとても良い機体です。
しかし、風が強い時には苦労しそうです。
風下に流したら戻ってくるかどうか分かりませんね。(^_^;)

操縦性も良好で、ラダーSAL(DL)機としては普通だと思います。
低速でもちゃんと舵が利きます。
前作のAtlantis-3に比べれば天と地の差がありますね!(笑)

ランチは、機体が軽すぎて非常にやりにくいです。
紙飛行機を翼端投げするみたいで、遠心力というものを全く感じません。
何も持たずに手だけを振り回している様な、何とも頼りない感覚です。

グリップやペグは付けませんでしたが結果的に正解でした。
100gの機体には必要ないようです。
手の摩擦力だけで全く滑りません。

この機体はどういう訳か投げた直後、機首を下げる癖があります。
滑空状態では普通に飛んでいますので、重心位置が後ろすぎるとは思えません。
もしかしたらカーボンパイプが細すぎてしなっているせいかもしれません。

一生懸命試行錯誤してみましたが、ランチ高度は一番上手くいった時でも20m程度でした。
でも、その高度から静気流で50秒ほど飛んでいますので、
ランチの練習とプリセットの調整をすれば、1分以上は楽に飛ぶようになると思われます。

何はともあれ、この機体の性能には大満足です! o(^-^)o
小柄でクルクルと飛び回り、操縦がとても楽しい機体ですよ。

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