ケント・BDRエンジンのスーパーセブンでは定番の点火系アップグレードである、
永井電子MDI同時点火システムを導入しました。(^ω^)
私のようにショップに頼まず自分で組む人がいるかも知れませんので、
なるべく詳しく記事を書いておくことにします。
MDIは平野タイヤ商会が安いです。(9890ルーカス4気筒ポイントディスビ用 税抜き58,830円)
https://www.hirano-tire.co.jp/nagai/nagai55.html
まず現在の状態での点火時期を見て、マジックなどで印を付けておいてください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/687338/blog/42016176/
ギヤを3速ぐらいに入れてフロントタイヤを押したり引いたりして、
事前に第1シリンダーの圧縮上死点を出しておきました。
デスビキャップを外せば、キャブレターを外さずに比較的簡単にデスビを抜くことが出来ますので、
センサーを組み込む時はデスビを外して作業した方が楽です。
デスビを抜く前には、点火時期がずれないように合いマークを付けておくと良いでしょう。
ケーターハムの場合ノーマルでルーカスのデスビが付いているので、
キットがそのままボルトオンで簡単に付くはずですが、
私のBDRはなぜかBOSCHのデスビに交換されているため、そのままでは取り付けられません。
(BOSCHのデスビはバーキンセブンに良く使われているらしい)
ですから、アルドンのデスビに交換してからMDIキットを取り付けることになります。
アルドンのデスビはDemon Tweeksが安いようです。2万円ぐらいで買えます。
https://www.demon-tweeks.com/jp/aldon-automotive-performance-distributors-240018/
色々調べて、103FXYのFord X-Flowと言うのが適合するんじゃないかと思ったんですが、
Demon Tweeksの日本人スタッフの飯田さんにメールで確認を取って、
アルドン社に聞いていただいたところ、BDRエンジンには
リストに無い「1700BDRXFLOW」と言う品番のデスビを使うらしいので、
これを買うことにしました。
1ヶ月ほどで届いたデスビは削り出したプレートが中に入っていて、
どうも注文を受けてからワンオフで制作したみたいに見えます。
BDRの腰下はケントエンジンと同じと聞いていますので、
ケント用のデスビがそのまま付くと思ってたんですが、どこか違うんでしょうか?
さてアルドンのデスビのポイントを外し、マグネットセンサーを2個取り付けますが
ワンオフのプレートに開けられた穴がMDIキットのプレートと合わないので、
少々長穴にする必要がありました。通常はこの作業も必要無いはずです。(^_^;)
永井電子の説明動画でもアルドンのデスビにすんなり付いているし・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=3fBNTFloYX0
それにデスビ本体の固定用(回り止め)プレートも
エンジン横のオイルブロックに当たるので、ブロックを少々削る必要がありましたが、
これもノーマルのデスビに組むなら不要な作業です。
MDI付属のローターはつばの部分(チョッパー プレート)が弱く、最初から少々曲がってしまっていることがあるので、
きっちり直角になるように曲がりを調整したのち、デスビにはめてグルグル回してみて、
接触しないようにセンサー位置を調整して固定する必要があります。
ちなみに、通常1本しか通らない設計のゴムのグロメットに、
同時点火用の2本のコード(合計6本)を通すのは至難の業です。(^_^;)
この作業でコネクターのコードを引きちぎってしまう人もいるんじゃないかな?
グロメットをデスビ本体の穴に無理やりはめ込むのも、超~大変でしたので
作業前にデスビの穴を少々大きくしておいた方が良さそうに思います。
キットのコネクター類は、それぞれ形が違っているので接続を間違えることは無いと思いますが、
注意点としてデスビから出ている白と黒コネクターは、きっちり奥まではめる必要があります。
途中でかなりきつくなって指の力では入れることが出来なかったので、
プライヤーで縦に挟んで握るようにしてパチンとはめました。
キットで唯一間違えそうな配線が、赤・緑の2つのむき出しの配線です。
赤をIG電源、緑を電圧検出型回転計に繋ぐ必要がありますが、
今まで付いていた古いコイルを外し、プラス側をIG電源として赤コードを繋ぎ、
マイナス側を回転計信号として緑コードを繋ぐことにしました。
それぞれ平型端子を使って接続し、抜け防止のため上からビニールテープを巻きました。
参考図 http://img-cdn.jg.jugem.jp/c7e/2085647/20130101_32986.jpg
ちょうど良い具合に古いコイルを外した穴がありますので、ここにMDI本体をネジ止めしました。
最後にバッテリーのプラスとマイナスに配線を繋ぎ、
余ったコードを束ねてタイラップでフレームに固定したら配線作業は終了です。(^ω^)
同時点火用のコイルは、事前にヒーターの上に取り付けてあります。
穴あけ作業前には、必ずヒーターを分解して穴位置の確認をしてください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/687338/blog/42184267/
MDIは専用のプラグコードを使う必要がありますが、
新型で性能が上がったと言うブルーポイント パワープラグコードにしました。
http://www.nagaidenshi.co.jp/PLUG/bluepoint.shtml
必要な長さを測って、キットに付属するFAX用紙で注文すれば代引で届きます。
プラグコードの価格は2万4千円ぐらいでした。
プラグコードにプラグを刺してスターターを回し点火時期をだいたい合わせた後、
プラグを取り付けいよいよエンジン始動!
なんの問題も無くあっさりかかりました~。(^ω^)
排気音も元気ですし、今まで使っていたフルトラよりアイドリングが安定しているのが分かります。
何回かテストドライブしてみましたが、同時点火導入により色々な変化がありました。
いつも冬の場合はアクセルを3回踏んでかけていたんですが、これが1回~1.5回に減りました。
おそらく、薄い混合気でも問題なく着火するようになったためと思われます。
低回転で凄く安定していてトルクもあるので、1200回転で5速巡航が出来ます!
これは今までのエンジンでは考えられないことです。(^ω^)
おそらく、エコランすれば相当良い燃費が出ると思われます。しないけどね。(笑)
あと、排気ガスの匂いが変わりました。
今まではガソリンが燃え残ったような匂いがしていましたが、
生ガスが綺麗に燃えたような匂いになりました。
デスビ内部はマグネットセンサーだけだしプラグコードを刺す必要も無いので、
キャブの下で火花が飛ぶことが無いのも安心材料ですね。
エンジンは、全回転域でトルクが上がりパワフルになりました。(゜▽゜)
チューンドBDRエンジンなので、もともと十分速かったのですが
2速でパワーバンドに入るとSタイヤが激しくホイールスピンするようになりました。
今までは、2速でアクセル開けただけでホイールスピンしたことは無いです。
以前は、体感でポルシェ911 GT3 RS(997型)と同じ位の加速感でしたが、
今では自分のセブンの方が少し速いように感じます。(^ω^)
ついでなので点火時期が狂った場合、どのような症状が出るのか実際に試してみました。
点火時期が遅すぎる場合は、アイドリングが下がって不安定になり、
低回転のトルクが無くなり発進時に加速のもたつきがあり、アフターファイヤーが出ます。
ただ高回転では素晴らしいパワーが出ました。
感覚的には2ストのスポーツバイクのフィーリングに近いです。
点火時期が早すぎた場合は、アイドリングが上がり低回転のトルクが増し、
発進加速も素晴らしいですが5000回転以上でパワー感が無くなり、
NAのDOHCエンジンで「カムに乗る」と言われる高回転の伸びがまったく無くなります。
意外なことに、急加速してもカラカラと言うノッキングの音は全くしませんでした。
500kgの超軽量車なので、ノッキングする間もなく鋭く吹け上がるせいか?
ちょうど良い点火時期に合わせると、
低回転から高回転までスムーズかつパワフルに加速し、
アクセルレスポンスも大変良いです。もちろん現在絶好調です!(^ω^)