アルピーヌA110

アルピーヌA110は昔ラリーで13戦中6勝し、初代WRCマニュファクチャラーズチャンピオンとなった
歴史的な名車である初代のアルピーヌA110を現代に蘇らせた車です。

発売時から気になっていて、当時すぐディーラーに試乗に行ったんですが、
あまりの人気に予約いっぱいで試乗できませんでした。(^-^;)

ですから、今度はしっかり予約してから試乗に行きました。
ちなみに今回の試乗車は、パワーアップして硬められた足を持つSグレードとなっています。

スペック
1800cc ミッドシップ 4気筒DOHC16バルブターボ 252馬力(Sは300馬力)
全アルミモノコックボディ 重量1120kg 7速AT(デュアルクラッチ)

間近で見ると、とてもオシャレでカッコ良い車ですね。
特徴は、やはり初代の雰囲気を強く残したデザインと、マツダロードスターRFと変わらない軽量な車体ですね。
95%以上がアルミ製で、ライバルの718ケイマンより270kg(男性4人分)も軽いのは凄いです。
全幅は1800mmなので、フォルクスワーゲン・ゴルフと同じぐらいです。

エンジンは300馬力ですが重量が大変軽いので、
普通の重さの車に430馬力エンジンを載せた位のパワーウェイトレシオになります。

車は大変美しく細部まで丁寧に作られていて、初めて現車を見た時はあまりの出来の良さに驚きました。
軽量化を徹底した車なので、多分ロータスと同じぐらい簡素なんだろうと思っていましたからね。(^-^;)
内装もフランス製らしくオシャレで高級感があり、軽量バケットシートはサベルト製。
インテリアの美しさは、このクラスのスポーツカーで一番じゃないかと思います。

カードキーを助手席前の溝に差し込み、スタートボタンを押すと
「ブォン!」となかなか良い音でエンジンが始動しました。
メーターのグラフィックも動きが凝っていてカッコ良いですね。
シフトはボタン式で、Dを押してアクセルを踏むと軽量車らしくスッと走り出します。

Sグレードのサスははっきりと硬く、ややゴツゴツ感があり
おそらく高速(130km/h以上?)のスピード領域に合わせてセッティングしてあると思われます。
しかし、ギャップや段差の入力に対する角は丸めてあるので、
一般道で乗るのがしんどくてしょうがないほどの硬さではないです。

前後ダブルウィッシュボーンが奢られているせいだと思いますが、
タイヤの接地感はとても良いですし路面からのインフォメーションもきちんとハンドルに伝わってくるため、
走行中のタイヤのグリップが良く分かって安心感があります。

軽量車なのでハンドリングは軽快で自由自在に操れる感覚がありますが、
あえてハイグリップタイヤを履いていないこともあり、
気を使うほど敏感なわけでは無く適度な扱いやすさも持っています。
前後重量配分は44:56とほぼ50:50に近いためミッドシップ独特の癖などは殆ど感じられず、
誰でも簡単に操れるスポーツカーになっています。

フルブレーキはテストしませんでしたが、ブレンボ製ブレーキは効きも大変良好でした。
テスト動画を見るとかなりの性能のようです→ https://youtu.be/OqGlNQ8VfZg?t=31

アクセルをガバっと踏んでみましたが、軽量でパワーもあるのでかなり速いです。
ゼロヨンは12.6秒らしいですね。
アルファロメオ4Cみたいに暴力的とまではいきませんが、
公道でパワー不足を感じる人はほとんどいないのではないでしょうか。

軽量なコーナーリングマシンなので、むしろエンジンはもっと非力でも全然楽しめるんじゃないかと感じました。
自分としてはこのような車の場合、小排気量車独特の楽しさを追求してみたいですね。
コーナー間のストレートでトップスピードを上げるラインをあれこれ考察してみたり、
アクセルを開けるタイミングを細かく探ったりする過程を楽しみたいです。
出来れば、高回転型のNAエンジンでマニュアルのモデルがあればさらに楽しそうです。

ル・マンやF1もやってるアルピーヌが作った車ですから、空力の設計レベルは凄いことになってます。
ウイングやスポイラーは無いですが、床下で強力なダウンフォースを稼ぐ設計がなされており、
250km/h走行時には275kgものダウンフォースが発生するそうです。
https://www.alpinecars.jp/about/mechanism/

ケイマンやロータスなど同クラスのライバルと比べた場合のA110の立ち位置ですが、
運動性に全振りして走りに特化したロータス・エリーゼと、
理論派で優等生であるポルシェ・ケイマンの中間あたりのように感じます。
(アルファロメオ4Cは猛獣なので規格外)(笑)

この車は快適性を犠牲にしてストイックにタイムを削るような車ではなく、
普段のお買い物にもストレス無く使える優しさを持ちつつ、
たまの休日には峠に行って気持ち良くコーナーを楽しめるスポーツカーとなっています。
ちょっと近所のコンビニに行く場合でも全然普通に使えますよ~。(^ω^)
アクセルをガバっと踏まなければ普通の車のようにおとなしく走れます。

運転していても、非常に丁寧に仕立てられた車であることが良く分かります。
これは外観や内装が美しく出来てるとか見た目のことを言っているのではなく、
車の反応や車体から伝わってくるフィーリング全体に、
職人さんが真心を込めて作った心地良い温もりがあるような雰囲気があり、
これは他のライバル車には無いA110の大きな特徴となっています。
例えるなら、大切に育てられた凄く性格の良い子みたいな感じです。(^ω^)
ちなみにこの子、ちょっと小柄で陸上やってたので足速いです。
あと、顔めっちゃ可愛いです!(笑)
そんな子、絶対好きになるに決まってるぅ~~ (゜▽゜)

 

 

 

で、

 

 

 

 

このあと怒涛の展開に・・・(^-^;)

 

 

 

「ヒントはMFゴースト」

このヒントでピンと来た人がいたとしたら、絶対ニュータイプ!(゜▽゜)

スーパーセブン,

ウチにtommmyさんが遊びに来てくれました~。(゜▽゜)

tommmyさん車は、ランチア・ストラトスGr4仕様のレプリカで
ホークHF2000と言うキットカーをベースに、国内でモデファイを行った車だそうです。
スーパーカーブームで育った世代には、たまらないデザインですね。
やっぱりメチャクチャかっこいい~!o(^-^)o

あれこれ文章でインプレを書くより、
動画を見てもらった方がこの車について良く分かると思います。
色んな意味でとても楽しい車でした~。(^ω^)

インプレ(レビュー), スーパーセブン

家に5nigel27さん↓が遊びに来てくれたので、KTM X-Bowに試乗させていただきました~。(^ω^)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1089207/profile/

KTM X-Bow レース用のクラブスポーツ。重量約800kg、390馬力仕様だそうです。
普通の車だと700~800馬力相当ぐらいになるのかな?
私は今まで色々な車に試乗して来ましたが、コレが一番凄かったです!(゜▽゜)
レーシングカーコンストラクターのダラーラが、
フォーミュラーカーの手法で設計したフルカーボンの車であり、
シャシー性能も車体設計も仰天するほどレベルが高く、文句の付けようがありません!

動画はこちら

普通のスポーツカーは、どこかにコストダウンされた部品
(鉄板プレスやプラスチック)などがあるものなのですが、
この車には「コストを抑えるためになにかしよう」という考え方自体が最初からありません。
今までレース専用マシンだけ作ってきたメーカーならではでしょうね。

この車に乗ることで、ダラーラの作るフォーミュラーカーの凄さが分かるような気がしました。
もちろん本物のダラーラ製フォーミュラーカーに乗ったことは無いのですが、
その片鱗を覗くことが出来たと私は思いました。(゜▽゜)

(おまけ動画)KTM X-BOWができるまで | ドリームカー誕生

スーパーセブン,

セブンに履いていたSタイヤRE-11Sが減ってきたので、最近DIREZZA 03Gに履き替えました~。(^ω^)

組み換えはいつものように手組みです。(゜▽゜)
今ではずいぶん慣れてきて、15分あれば一本組み込みが出来るので、
むしろショップに持ち込む方がめんどくさいと思えるぐらいになりました。

ちなみにSタイヤはメチャクチャ剛性があるので手組みは超~大変ですが、
事前にタイヤを温めておくと良いみたいです。
今回大きな箱にドライヤーを刺して1時間ぐらい温めてみましたが、だいたい60度ぐらいになりますので、
結構柔らかくなって組み換え作業が楽になることが分かりました。

長いホイールプロテクターはヤフオクで売ってます。
コレを付けてると傷が付く心配が無くなるのでとっても安心ですね。(^ω^)
https://bit.ly/3B3EQtK

あと、JOY ミラクルクリーン 泡スプレーは超~おすすめです!
ビードクリームとは比較にならないぐらい滑りが良くて、ツルッと入ります。
安い上にどこでも手に入るしね。
これを発見してからビードクリームは全く使わなくなりました~。(笑)

ポスカでホワイトレターを入れました。
ダンロップはロゴが凸なので塗りやすいですね。(^ω^)

履き替えてから何度か走り込みを行い、このタイヤの特性も分かってきたので、
今まで使ってきたSタイヤも含めてDIREZZA 03Gのレビューをしたいと思います。
ちなみに、いずれのタイヤも空気圧は冷間1.2 温間1.4キロぐらいで走ってます。

これはあくまで公道のワインディングで使った時のインプレであり、
サーキット走行の場合はまた違った評価になると思いますので注意。
あくまで素人である私個人の主観なので間違いもあるかもしれませんが、どうか許して下さい。(^-^;)

まずは古い方から順番にレビュー。
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DUNLOP FORMULA-R D01J S
セブンを買った時に付いてきたおまけのタイヤ。多分ミディアムコンパウンドだったと思う。

Sタイヤなんて公道で使っちゃダメと言う固定観念があってずっと倉庫の奥にしまってあったが、
試しに履いてみたら車がシャープに動くしグリップも当然凄いから、
峠道の運転が最高に楽しくなってビックリした。
その後Sタイヤばっかり履くようになる・・・。(^-^;)

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DUNLOP FORMULA-R D98J
中古のホイールに付いてきたタイヤ。多分ソフトコンパウンドだったと思う。

これは凄く気に入っているタイヤでした。
ギャップで跳ねないし、グリップもメッチャ良いし乗り心地も良い。
ゴムが粘ってガムテープみたいにベタベタくっ付く感じが非常に強いタイヤです。
当時最強だったらしいですね。
ダンロップは良いタイヤ作るな~と思いました。(^ω^)

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YOKOHAMA ADVAN A050
ミディアムコンパウンド(M)
サーキットユースでは定番の名タイヤ。ラインナップも非常に多い。

このタイヤはとにかくケース剛性が凄くて、
510kgしかない超軽量車では自重でタイヤを潰すことが出来ず、
ガタガタ舗装のコーナーで跳ねまくって横っ飛びするので、
個人的にはフィーリングがあまり好きではないです。(^-^;)
分かりやすく言うと空気圧を3キロ以上入れたタイヤみたいな感じ。

私がいつも走ってる所って「ここはオフロードかっ!」て思うぐらい
コーナーの路面がガタガタだし、フルボトムするような強烈な橋の継ぎ目が無数にあって、
しなやかで跳ねないタイヤじゃないとまともに走れないコースです。

おそらくA050は、スピードレンジが高くて舗装が滑らかなサーキットで、
1トン以上ある車に履かせる場合は本領発揮出来るタイヤだと思います。
1200~1400kgぐらいの車に履かせると最高のパフォーマンスになるように
開発しているんじゃないかな?

あと、接地面がかなり丸くてラウンドしており、
特に超軽量車では自重でタイヤが潰すことが出来ないのも相まって、
他のSタイヤと比べて同じサイズでも地面との接触面積が明らかに小さいです。
ですから、路面にビターっとくっ付くような接地感はあまり感じない。
接触面積が小さい分、走行抵抗が少ないため加速が良くなるのが体感できます。
ストレートスピードも他より稼げると思われ、サーキットではタイムが出るタイヤだと思う。

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BRIDGESTONE POTENZA RE-11S
ミディアムコンパウンド(RH)

個人的にパターンは一番かっこいいと思う。(゜▽゜)
角張った四角い形を見れば分かると思うけど、同じサイズでも他のタイヤより接地面が非常に広い。
大きな面積で地面にビタ~っとくっ付いている感じが一番強いタイヤであるが、
その分走行抵抗は大きいので加速は少し鈍る感じがある。

接地面の剛性はADVAN A050みたいに硬すぎないのでギャップで跳ねにくいし、
ハンドリングも一番シャープなので気に入っていました。
残念ながら14インチは廃盤になって現在買うことが出来ないです。(^-^;)

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DUNLOP DIREZZA 03G
フロント185幅 ソフトコンパウンド(S2) 最近廃盤
リア  195幅 ミディアムコンパウンド(R3)

これが今買ったタイヤです。
同じDUNLOP社製のD98Jとフィーリングはかなり似ていて、
ベタベタしたゴム感がかなり強いタイヤで、小石が大量にくっ付く。
グリップも今まで履いて来たSタイヤでは最強だと思う。
ミディアムコンパウンド同士で比較しても他のタイヤより
コンパウンドが柔らかいようなので、もしかしてライフは短いのかも? (^-^;)

各社ミディアムコンパウンドでの比較では、
ADVAN A050を標準にすると、DIREZZA 03Gがソフト寄りのミディアムになっていて、
POTENZA RE-11Sがハード寄りのミディアムのような感じがします。
あくまで素人の感覚的な話なので、本当のことは関係者に聞かないと分からないですけどね。

DIREZZA 03Gは、剛性が柔らかいので500kgの超軽量車でもしっかりタイヤを潰すことが出来て、
激しいギャップでも全然跳ねないし凄く乗り心地が良いです。

接地面も柔らかいし、側面も柔らかい上にサイドがムチッと膨らんでいるので、
ギャップの衝撃吸収性能は今まで履いてきたSタイヤの中で一番良い。
今までガツンと衝撃があった大きな継ぎ目でも何事も無く通過出来る。
凶悪なギャップだらけの路面でも一度も跳ねることなく走破可能。
Sタイヤでこれは凄い!

一言で言うと、このタイヤめちゃくちゃ速いです!(゜▽゜)
今まで経験したことが無い速度でコーナーリングしても全然滑らない・・・。
接着剤で路面にくっついているんじゃないかと思うぐらい。
ADVAN A050や、POTENZA RE-11Sの新品を履いた直後でも、
これほどのグリップ力は無かった。

少なくとも荒れた峠道で走るなら最速のタイヤじゃないかな?
軽量なセブンとの相性はバッチリ。とっても気に入りました。
10年かかりましたが、やっとこのコースで最速のタイヤを見つけました。
今後も使い続けたい~。(^ω^)

ただしADVAN A050など剛性が凄く高いSタイヤを使っていた人が履き替えたら、
独特のグニャッとしたフィーリングに違和感を感じる人もいると思います。
Sタイヤと言うより、普通のラジアルタイヤに近い剛性感のタイヤですね。
試しにリアだけ0.2キロほど空気圧を高めにしてみたら、
丁度良い硬さになりました。(^ω^)

剛性が柔らかすぎるなら、こんな感じに空気圧を入れれば硬く出来るから良いけど、
ADVAN A050みたいに硬すぎる場合は調整することが出来ない。
超軽量車と言えどリム落ちが心配で1キロ以下にはしたくないし。

私はバイクブームの時代から数えると40年近く、
週末は暇さえあれば峠に走りに行く生活をずっと続けていますが、
還暦になる今でも変わってない。コーナー攻めるのは大好き。

ちなみに良く「セブンにSタイヤを履かせると壊れる」って聞きますよね。
私もそれをずっと信じてSタイヤを避けていました。(^-^;)

もちろん普通のラジアルタイヤとSタイヤ、
両方ともグリップの限界でガンガン走れば、
当然Sタイヤの方が車のダメージが大きいのは明白です。

私はセブンで10年近く、馬鹿みたいに毎週ワインディングをSタイヤで走ってますが、
各部を点検してもどこも壊れる気配が無いです。
Aアーム後端のブッシュは、外して点検しても
特に傷んでる様子が無いので10年以上交換していないし。

つまりSタイヤを履いても、ちゃんと車体にかかるGをコントロールして、
グリップの7~8割を超えないように走るのならセブンは壊れないです。
コーナー進入から立ち上がりまで、
加減速GとコーナーリングGの合力を一定に保つ走り方をすれば、
同じペースで走っていても車へのダメージをずっと少なくすることが出来ます。
(摩擦円が綺麗な円を描くイメージで運転する)

つまり「セブンにSタイヤを履かせると壊れる」と言うのは正確には正しくなく、
「Sタイヤを履かせてグリップの限界でガンガン走ると壊れる」が正しい言い方となります。
極端な話Sタイヤを履いても、のんびりツーリングしかしない人だったら、
車体へのダメージは無いです。これは誰でもイメージ出来ますよね。(^-^;)

もちろんAアーム後端取付部に負担がかかりやすいリジットサスだったり、
アームのブッシュをピロボールに交換していたりすると
その分車体へのダメージは大きくなるはずなので、
Sタイヤを履いた場合、あまり無理をかけないようにした方が良いと思います。
ちなみに、私のセブンはドディオンで普通のゴムブッシュとなっています。

インプレ(レビュー)

小学生の時にスーパーカーブーム真っ只中だった私にとって、
ポルシェ・ターボは全国のチビッコたちと同じように、一生手が届かない憧れの車でした。(^ω^)

今回はついにレンタカーでこの車を借りて運転することが出来ます!
オラ、ワクワクすっぞ~(゜▽゜)

スペック
空冷水平対向6気筒ターボ 3300cc 320馬力 重量1470kg 中古価格 2000万円~

ポルシェ911は、見た目でも分かる通り他に類を見ない独特の設計の車ですが、
空冷ポルシェの操作系は特に癖が強いです。(^-^;)
まず気づくのは、支点がかかとの方にあるオルガン式のクラッチペダルで、
まず足を前に押し出し、奥で上から踏むような独特の動作が必要になります。
しかもなんだかグニャグニャした感触があるペダルです。(笑)

また、シフトレバーも遊びも大きくストロークも長めで、
こちらも長いリンケージによりグニャグニャした感覚があるため、
特に2速~3速間の素早いシフトチェンジはかなり難しいです。

エンジンをかけてみるとフラット6ターボエンジンのサウンドは非常に良い音で、
ちょっと吹かしてみると現代の車には無い生き物のような鼓動感があり、
味わい深いエンジンのようで大変気に入りました。(゜▽゜)

走り出してみると、10万キロ走っている旧車とは思えないほど
車体剛性が高いのが分かります。
30年前に作られた中古車なのでガタピシ感は多少ありますが、
非常にしっかりとした接地感もあり、優れたシャシー設計による
安心感がある車体フィーリングを持っています。

ステアリングのフィーリングは、どの時代の911でも同じ傾向ですが、
スポーツカーとしてはギア比がやや大きめに設定されていて、
ハンドリングにピーキーな動きが無く、安心感があり修正舵もやりやすく、
リンケージの高い剛性により路面の状態もしっかり手の平に伝わって来ます。

引き締められたサスの硬質な乗り味も全然不快ではなく、
車体の高い剛性感とピッタリ合っていて、
むしろ運転の楽しさに繋がっていて、良いと思います。

エンジン特性は、アイドリングのまま難なく発進できる低速トルクもありますし、
高回転でも滑らかで振動も無くフィーリングも大変良いです。
外で聞こえる空冷独特のバサバサ音は、運転席にいると全く感じられませんでした。

アクセルを戻すとマフラーから毎回バラバラバラ・・・と
現代の車で良くある「演出」では無い「本物のアフターファイヤーの音」が楽しめます。

アクセルを深く踏み込んでみると、
4500rpmぐらいから急激にターボが効いて、突然「グアッ!!」と加速します。
それは、身構えていてもヘッドレストに頭をぶつけてしまうほどの超絶ドッカンターボ!
現代の車ではありえない出力特性に呆れて、思わず笑ってしまいました。(笑)

過給のオンとオフの差は、
今まで試乗した数々のターボ車でも一度も経験したこと無いほど強烈で、
まるでレース用の2ストバイクみたいな加速フィーリング。
もちろん乗りやすいとは言えませんが、
この超絶尖った特性が個性的で大変楽しいので、私は大好きです!(゜▽゜)

一般道の制限速度では1速でしかターボの加速を楽しめませんが、
1速のギヤ比が低く4500rpmぐらいでターボが効くと1秒以内にレッドゾーンなので、
ターボが効いたら素早くアクセルを戻す必要があります。
ちなみにこの時60km/hぐらいなので、実際のスピードはそんなに出てないです。

この車は、高級GTになって誰でも乗れる近年の911ターボとは真逆のキャラクターで、
運転フィーリングは物凄く硬派でストイックな体育会系の車です。
まさに「男の仕事場」と言う表現がぴったりで、
今まで乗った911の中でフィーリングが似ている車を探すと、
ほぼレース専用と言っていいようなGT3 RS(997型)にかなり近い性格を持つ車です。

意外なことに、良く言われているRR車の癖は運転中全く感じませんでした。
古い911の「リアエンジン独特の危うい挙動の話」を今まで沢山聞いていたので、
もっと癖があってスピンしやすい危険なフィーリングを持つ車じゃないかと思っていましたが、
実際は全くそんなことはなく、非常に安定感がある良く設計された車だと感じました。
もちろん、サーキットなどで限界で振り回す乗り方をした時は、
リアエンジン独特の悪癖が出るものなのかも知れません。

かなり古い車にも関わらず、
以前乗った年式が新しく水冷になったGT3ストリート(996型)よりも、
走っている時の安心感と楽しさは遥かに上だと感じました。
シャシーの剛性感も設計がずっと古いはずの964の方が圧倒的にしっかりしているので、
もしかしたら、996型は空冷時代よりシャシーがコストダウンされた
過渡期のモデルなのかもしれません。

ちなみに、私は以前2017年にディーラーで新型911カレラSに試乗して、
リアに搭載されたエンジンのユラユラした揺れが体に合わずひどく酔ったことがありましたが、
今回の964ターボはリアが全くユラユラせず、酔うような気配は微塵もありませんでした。
おそらくエンジンマウントが硬くてガッチリ固定されていて、
ギャップを通過してもエンジンが全く揺れないせいだろうと思います。

それほどスピードを出さなくてもかなりスピード感があるので、
一般道の速度でも存分に楽しめますし、古い車独特の味わい深さもあり、
私の愛車であるキャブ時代の古いスーパーセブンと同じように、
スポーツカーを運転する楽しさが存分に味わえる車でした。

独特の癖がある車を練習して上手く乗りこなして行く喜び等もあり、
現代のポルシェが失ってしまった高い趣味性がこの車にはあります。
私はこの車、大好きです!(゜▽゜)

今だに、空冷時代のポルシェに絶大な人気がある理由が、
964ターボに乗ってみて良く分かりました。
みんなが空冷ポルシェを求めるので、
今は驚くような価格になってしまっていますが・・・。(^-^;)

964ターボは、数々の名車と同じように、
開発エンジニアが最高の車を作ろうと言う情熱がヒシヒシと感じられる車でした。
少なくとも私が今まで乗った911の中では最も魅力的な車です!

そして、小学生からの夢であったポルシェ・ターボを運転出来て
大変幸せな時間を過ごすことが出来ました。(^ω^)
Fun2Driveレンタカーさん、どうもありがとうございました。

GoPro動画はこちら

964ターボ全開の走りは、
昔のガンさん(黒澤元治選手)の動画を見てください。

スーパーセブン

嶋田智之さん(自動車ジャーナリスト)による
スーパーセブンの記事が素晴らしかったので紹介します。(^ω^)

"軽さ"こそ正義! ケータハム・スーパーセブンでスポーツカーの凄さを初体験
https://www.afpbb.com/articles/engine/3292287