スーパーセブンの空力実験をしてみた (その13)

2022年5月23日

 

私のセブンは、フェンダーから発生する大きなリフトを
キャンセルするためのスポイラーを前後に付けていますが、
リアについているスポイラーは、
数年前に実験用にダンボールで作ってガムテープで貼り付けただけの物です。
それ以来6年間もそのままの状態・・・。(笑)

空力パーツは紙であろうが高級カーボンであろうが素材の違いに左右されないので、
そのままでも十分な能力を発揮するのですが、濡れたりするとグニャグニャになると思うし、
あまりに貧乏くさいので、ちゃんと作り直そうと思いました。(^-^;)

作り方はフロントフェンダー・スポイラーと基本的に同じです。
ただ、リアフェンダーはボディに直接くっついているから側面に貼り付けられないし、
ブートカバーの逃げも必要だしで、ちょっと工作がややこしくなります。

工作用紙で現物合わせで型紙を作りました。
簡易的な風洞実験で形状と取り付け位置を探りますが、
フロントと同じようにフェンダー頂点から生やして、
後端にガーニーフラップ状に跳ね上げを付ける形状が
一番効果的であることが分かりました。

アプリでCFD解析も行ってみましたのでご覧ください。
風の流れは左右で、青が負圧で赤が正圧を表しています。

ノーマルフェンダーの解析結果 [ リフト 29.51 空気抵抗 11.08 ]
飛行機の翼のように上部に丸みがあるので、頂点付近に大きな負圧が発生していて、
走行中は非常に強いリフトが発生するのが良く分かります。
セブンのリアフェンダーはかなり大きいので、
最大のリフトはリアフェンダーで発生していると思います。

CSRフェンダーの解析結果  [ リフト 5.54 空気抵抗 11.15 ]
リフトが5.54まで小さくなります。かなり良いですね。(^ω^)
優秀な設計のフェンダーだと思います。
注)これはフロントフェンダーの形状を模したものです。CSRのリアは通常の丸いフェンダーです。

私がデザインしたフェンダースポイラーの解析結果 [ リフト -4.41 空気抵抗 11.77 ]
リフトはマイナスになり、ダウンフォースが発生します。(゜▽゜)
高速コーナーでは、ノーマルとの違いは誰でも体感出来ると思います。
しかも超~~安いです。廃ダンボールで作ったらタダだしね!(笑)

勘違いしている人は非常に多いと思いますが、
このスポイラーが上からフェンダーをグイグイ押しているわけではありません。
基本的には、頂上部にリフトが発生しないように整流しているだけです。
ですからGTウイングのような強度は必要無く、
紙で作っても強いダウンフォースが体感できるのはそのせいだと思われます。

制作を始めます。
アルミ板を型紙通りに切り出します。
作ってみたい方は、この写真を等倍に印刷すれば型紙作りのベースになると思います。
セブンには個体差があるので、合わない部分は微調整してください。

お化粧にカーボン柄のラッピングシートを貼りました。
アルミの端面がピカピカで目立つので、つや消し黒のウレタン塗料を筆塗り。

万力やC型クランプを使い、アングルで挟んで後端を少し跳ね上げガーニーフラップ状にしたら、
フェンダーに合わせて両端を折り曲げていきます。

外側はフロントと同じで、パイプにあてがって手でゆるく曲げるだけなので加工は簡単ですが、
トランク側は鋭く2回折り曲げて、両面テープが付く面をフェンダーのRに合わせて鈑金する必要があります。
直角に曲げながらRに形状を合わせるのは凄く難しいので、
短冊状に切込みを入れても良いかもしれません。(^-^;)

フェンダーの一番高い所に細く切ったアルミテープを貼り、
フェンダースポイラーの前縁部の裏側にごく少量のシリコンシーラントを塗っておき、
両端は両面テープで貼り付け、重りを載せてシリコンシーラントが固まるのを待ちます。
後日、余分なアルミテープを剥がし完成!

早速試乗してみますが、やっぱりメチャクチャ良く効きますね!(゜▽゜)
ただ、思った通りダンボールとの性能差はまったく体感出来ませんでした~。(笑)

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過去の空力実験の記事検索
https://minkara.carview.co.jp/blog/search.aspx?typ=1&kw=%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%A9%BA%E5%8A%9B%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F