スーパーセブン

家に置いてある、らみいさんのセブンですが、
ある日「走るとなんだか後ろからカチャカチャ音がするんだよね~」との報告。
真っ先に思い当たったのは、タンクを止めているバンドの緩み。

ケーターハムのタンクはメチャクチャ適当な取付方法で、
薄くて細長い鉄のフラットバーをバンド状にタンクに回して
先端をただ直角に曲げて穴を開け、ビスで締めているだけ。
グイグイ締めるとバンドの直角部分が歪むので思い切り締めるわけにもいかず、
ビスが簡単に緩んでカチャカチャ音がする。

「あ、増し締めすれば一瞬で直るよ~簡単簡単~」(^ω^)
この時はこの後、巨大な迷宮へ迷い込むことになるとは、
思ってなかったのです・・・。(^_^;)

音がしないようにタンクとの間にゴムを挟んで、
ビス|ナット ナット|ナイロンナット と言う感じでしっかり取り付けた。
これならしっかり締められるので、カチャカチャ言わなくなるだろう。

早速走ってみると、まだカチャカチャ鳴る・・・。

タンクの下あたりから聞こえるようだ。
音質は金属なのは間違いない。
「キンキン」と言う感じなのでアルミじゃなく鉄じゃないかな?

運転している時に、凸凹が付けられたセンターラインを
15km/hぐらいでゆっくり走ると良く鳴る。
固有振動数から予想すると長さは15cm~20cmの金属か?
位置はリアの下あたりから鳴ってるのは間違いない。

タンク周りやブレーキパイプ、サイドブレーキのワイヤーなど、
あらゆる部分にゴム・フェルト・ダンボール・ウエス等を
挟み付けて走ってみるが全く改善しない・・・。

その後も原因究明のため、色々試して膨大な量のテストを行った。
やってみたことは以下の通り。
————————————————-
*ブレーキパイプをゴムで浮かして取り付け直した。
*ブレーキホースの接触部分にスポンジを巻いた。
*ナンバープレートにいろんな物を挟んでみた。
*ホロの骨やロールバーを外して乗ってみた。
*フロアを叩いてリベットが緩んでないかチェック。
*デフのエア抜きホースにスポンジを巻いた。
*タンクを外してブンブン振ってみた。
*タンク周りのゴム板を全部張り替え。
*タンクのバッフルが外れてないか内視鏡で見てみた。
*ガソリン携行缶をタンク代わりして乗ってみた。
*リアフェンダーを外して乗ってみた。
*プロペラシャフトの上を内視鏡でチェック
*サスを外してタイヤを付けたアクスルを持ち上げ床に落としてみた。
*サスアームを外して動かすと音がしないか調べてみた。
*Aアームのブッシュを交換してみた。
*スプリングとショックの間にゴムを巻いてみた。
*シートを全部外してクッションを置いて運転してみた。
*3点式シートベルトに交換してみた。
*マフラーを交換してみた。
*サイドブレーキワイヤーを外して乗ってみた。
*カーペットを剥がしシフト周りと左右シートの間にあるカバーを外してみた。
————————————————-

タンクを外して点検しているところ。

ショックアブソーバーにゴムを巻いたところ。

タンク無しで走ってみたところ。

シートを全部外して乗ってみたところ。
・・・

これだけやっても、相変わらずカチャカチャ鳴る・・・。
もうリアに付いてるあらゆる部品は全部チェックしたよ~。(T-T)
もしかして前の方なのか?
でも音は明らかに後ろから聞こえるんだが。

しかも良く聞いてみると、車体よりさらに後ろから聞こえる。
そんなバカな・・・。いくらなんでもおかしい。
そもそも、これは本当にリアから出ている音なのか?

らみいさんは「もう諦めてもいいよ~」って言ってくれたけど、
性格的に途中で諦めて投げ出すのは出来ない性分。
自分に負けたみたいな気持ちになるので絶対イヤなのだ。
二級整備士の国家資格を持つ者のプライドとして絶対直す!

聴診器を買ってみた。
ホースを延長して長い棒にテープで留め、
走りながら床下に差し入れて音を探ってみた。
しかし、ゴーゴーと言う他の雑音が多すぎてよく分からず。

今度は古いアイフォンを針金(溶接棒)の先にガムテープで留めて、
走りながら下回りの動画と音を撮影してみた。

家のオーディオで再生して良く聞いてみると、
車の前方に差し入れた方がカチャカチャ音が大きいことが判明。
なにそれ? どう言うこと~?(゚Д゚≡゚Д゚)?

今度は、車のフロントの方を重点的にチェックしていきます。
————————————————-
*スピードメーターケーブルにスポンジを巻いてみた。
*バッテリートレイを補強してシリコン接着し滑り止めゴムを敷いた。
*オイルホースにスポンジを巻いた。
*グリルの緩みを修正した。
*ノーズコーンを外して乗ってみた。
*フロントフェンダーを外して乗ってみた。
*ライトを外して乗ってみた。
————————————————-

バッテリートレイを補強してゴムを敷いたところ。

走ってみると、ぐぬぬぬ~。
まだ盛大にカチャカチャ鳴ってやがる・・・。
もうチェックする部品無いよ~。(゚´Д`゚)

セブンのあちこちを手で叩きまくって、
ビビリ音がしないか調べてみますがなかなか見つかりません。

らみいセブンには鉄のディスクカバーが付いているのですが、
大きなボルトでガッチリ固定されていますし、
緩みもなく叩いてもビビリ音はありません。
でも、もうこれしかチェックする部品がありませんので、
取り外して乗ってみました・・・。

消えた・・・。
カチャカチャ音がしないぞ~。

この時は直って嬉しいと言う感情より、
「ヤレヤレ・・・」って言う感じでため息が出ました~。(^-^;)

つまり、鉄のディスクカバーが
ある一定の振動を与えると共振して振れが大きくなり、
ディスクにカチカチ接触していたのが原因のようです。
これほどおおごとになったのは、
そもそも音がリアから聞こえていたからです。
実際に運転してみれば、10人中10人が
「後ろで音がしてる」と答えると思います。

これがなぜかと推測してみます。
らみいセブンはクラムシェルなので運転者からフロントタイヤが見えません。
金属音のような高音は指向性が高く、
障害物を回り込んで聴こえてくることは少ないので、
ステンレスのストーンガードに反射した音の方が大きく聞こえ、
あたかも後ろで音がしていると感じたのだと思います。

大変苦労しましたが、直って良かったです。
私も達成感を感じて嬉しいです。(^ω^)

テスト時の動画はこちら